武装集団が集落襲撃、2人殺害、女性や子供100人超拉致 ナイジェリア
ザムファラ州は同国で最も危険な州のひとつ。地元で「バンディッド」と呼ばれる盗賊団は過去数年間で数千人を殺害したり、誘拐したとされる。
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アフリカ西部・ナイジェリア北西部ザムファラ州で身元不明の武装集団が集落を襲撃し、少なくとも2人を殺害、100人以上を拉致した。地元当局が27日、明らかにした。
それによると、事件は隣国ニジェールの国境に近い北部郊外の集落で23日の正午頃に発生。数十台のオートバイに乗った重武装兵が押し入り、2人を殺害した後、女性や子供など、100人以上をどこかに連れ去ったという。
ザムファラ州は同国で最も危険な州のひとつ。地元で「バンディッド」と呼ばれる盗賊団は過去数年間で数千人を殺害したり、誘拐したとされる。
最大都市ラゴスに拠点を置くセキュリティ会社SBMインテリジェンスは24年7月~25年6月までの間に少なくとも4722人が拉致されたと報告している。
この集落の村長はロイター通信の取材に対し、「過激派とつながりのある盗賊戦士たちは銃を乱射し、家を焼き払った後、子供や女性を100人以上連れ去った」と語った。
地元の州議会議員も事件を確認。武装集団は1つ目の集落で少なくとも100人を拉致し、さらに2つ目の集落で46人を拉致したとしている。
中央政府と陸軍はコメントを出していない。
専門家によると、バンディッドと名乗る組織は全国に複数存在し、その多くが遊牧民で構成され、イスラム過激派の支援を受けている組織も存在するという。
軍は今月、北部地域における8カ月間の対テロ作戦で過激派やテロ組織の兵士592人を殺害したと発表。24年の戦果を上回ったと強調した。
ナイジェリア北中部では西アフリカ最大のイスラム過激派「ボコ・ハラム」やその関連組織「イスラム国西アフリカ州(ISWAP)」など、数十の過激派や武装勢力が活動している。
ボコ・ハラムは西アフリカで最も強力な過激派のひとつであり、その影響力は拡大し続け、隣国のニジェール、チャド、カメルーンでも猛威を振るっている。
中央政府とボコ・ハラムは戦争状態にあり、10数年にわたる戦いで3万5000人以上が死亡、260万人以上が住居を失ったと推定されている。
ボコ・ハラムは2009年に西欧の教育に反対し、過激なイスラム法を導入するための武装闘争を開始した。