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武装集団が市民3人殺害、カトリック司祭を拉致 ナイジェリア

今回の事件はナイジェリアにおける過激派や武装勢力による暴力の深刻さを改めて浮き彫りにしている。
2021年7月6日/ナイジェリア、北部カドゥナ州、誘拐された学生の保護者たち(AP通信)

ナイジェリア北部カドゥナ州で7日未明、正体不明の武装集団が集落を襲撃し、住民3人が殺害されたほか、カトリック教会の司祭を含む複数の住民が誘拐された。地元教会と警察が8日、明らかにした。今回の事件はナイジェリアにおける過激派や武装勢力による暴力の深刻さを改めて浮き彫りにしている。

襲撃は午前3時20分ごろ、カドゥナ州郊外の集落で発生した。司教区は声明で、襲撃を受けた教会付属の司祭住宅から司祭ら多数が連れ去られたと発表した。司祭とともに10人の住民が誘拐されたとみられ、住民3人がその場で殺害されたという。

一方、カドゥナ州警察の報道官は異なる数字を示し、司祭を含む5人が誘拐され、2人の軍兵士と1人の警察官が死亡と説明した。治安部隊が襲撃者を追跡し、現場周辺を封鎖したとされる。警察の発表によると、治安部隊と武装集団との間で銃撃戦が起き、一部の襲撃者が死亡したという。

この襲撃は同州内で別の教会に対する誘拐事件からわずか数日後に起きた。治安部隊は今週、カドゥナ州内の複数の教会で武装勢力によって拉致された166人の礼拝者を救出したばかりであり、地域の不安定な治安情勢が継続していることを示している。

国際的にもこの治安危機への懸念が高まっている。国際人権団体アムネスティ・インターナショナルは8日の声明で、ナイジェリアの治安状況は「手に負えなくなりつつある」と述べ、農村部住民が殺害や誘拐の脅威にさらされていることに対し、政府の対応を批判した。

一方、ローマ・カトリック教会の教皇レオ14世(Pope Leo XIV)は8日、サンピエトロ広場での演説において、ナイジェリアの被害者への連帯を表明し、当局に対して市民の安全確保に向けた迅速な対応を求めた。教皇は「すべての市民の命の安全と保護が確実に守られるよう、関係当局が決意を持って行動し続けることを願っている」と述べた。

今回の事件が起きたカドゥナ州は宗教・民族間の緊張や武装勢力による誘拐・略奪が繰り返される地域であり、特にキリスト教のコミュニティが標的となるケースが相次いでいる。中央政府は治安強化策を講じているものの、過激派や武装勢力による襲撃は減少せず、地域住民の不安は高まっている。

このような治安悪化はナイジェリア全土に波及し、中央政府が抱える課題の一つとして国内外から注目されている。宗教指導者や人権団体は政府が地域社会の安全を確保するための包括的な戦略を早急に実施する必要があると訴えている。

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