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武装集団がカトリック教会襲撃、信者150人超拉致 ナイジェリア

事件は同州郊外の3つのカトリック教会で18日に発生。正体不明の武装兵たちが日曜礼拝中の教徒をどこかに連れ去った。
ナイジェリア、イスラム過激派組織ボコ・ハラムの戦闘員(Getty Images)

ナイジェリア北部カドゥナ州の3つのカトリック教会に身元不明の武装集団が押し入り、150人以上の信者を拉致した。地元当局が19日、明らかにした。

それによると、事件は同州郊外の3つのカトリック教会で18日に発生。正体不明の武装兵たちが日曜礼拝中の教徒をどこかに連れ去った。襲撃後の捜索で177人の行方不明者が確認され、そのうち11人が逃げ延びたが、168人が今も行方不明になっているという。

警察はこの事件について公式なコメントを出しておらず、武装犯の人数や組織名、動機についても明らかになっていない。

ナイジェリア北部では武装集団やイスラム過激派による事件が多発し、警備が手薄な地域で無差別に襲撃が行われる事例が後を絶たない。こうした背景には政府の統治力が及びにくい農村部での治安維持の困難さが指摘されている。

事件が発生した地域は農村部でセキュリティ体制が十分に整っていないことから、武装集団の標的になったとされる。農村の教会は地元住民にとって重要な交わりの場である一方、外部からの攻撃に対して脆弱であり、信者たちは集団で礼拝に参加することが多い。今回の襲撃は信仰の自由と地域住民の安全が脅かされる深刻な事件として国内外で懸念が高まっている。

国際的には、この種の教会襲撃がキリスト教徒への迫害として取り上げられることもある。特にトランプ(Donald Trump)大統領や一部の宗教団体は、ナイジェリア北部でのキリスト教徒に対する暴力を「宗教的迫害」として批判してきた。昨年12月には米軍が同地域に拠点を置くとされるイスラム国(ISIS)の関連組織を標的とする空爆を実施、この問題は二国間関係のなかでも注目を集めている。

ナイジェリア政府は一連の事件を「キリスト教徒に対するジェノサイド」と断定する見方を否定し、「過激派やギャングによる犯罪行為」と位置付けている。

ナイジェリアはアフリカ最大の人口を抱える国であり、治安情勢は地域によって大きく異なる。特に北部や中央部では農村地帯を中心に武装集団による拉致や略奪、宗教施設への襲撃が常態化している。これまでにも学校や集落、教会が攻撃され、多数の住民が誘拐されたり殺害されたりする事件が発生している。今回の襲撃は住民の安全と宗教活動の自由が依然として重大な脅威にさらされていることを改めて浮き彫りにした。

事件を受けて現地の宗教指導者や人権団体は、政府による治安強化と武装集団の摘発を強く求めている。誘拐された信者についての情報はほとんどなく、家族やコミュニティは一刻も早い救出を求めている。また国際社会もナイジェリア政府に対し、テロ対策と住民保護の強化を求める声を強めている

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