◎西アフリカでは軍事クーデターが相次いでいる。
ギニアの軍事政権は21日、2025年初頭までに民主的な選挙を実施すると約束した。
軍報道官は21日遅くの声明で、「ECOWAS(西アフリカ諸国経済共同体)と協議した結果、選挙のスケジュールで合意に達した」と報告した。
ECOWASは9月、昨年の軍事クーデターで政権を奪取したドゥンブヤ(Mamady Doumbouya)大佐ら軍指導部に制裁を科した。
報道によると、軍報道官はECOWASの制裁解除日には言及しなかったという。
ECOWASはギニア、マリ、ブルキナファソの加盟資格を停止している。停止国は貿易の優遇措置や免除を受けることができない。
ギニア軍は選挙の準備期間を3年に設定していたが、ECOWASはこれを拒否していた。軍事クーデターを起こしたマリ軍とブルキナ軍は移行期間を2年としている。
報道によると、ギニアの移行期間は来年1月に始まり、2025年初頭までに選挙を行う予定だという。
一方、首都コナクリなどでは軍事政権に抗議する小規模なデモが続いている。報道によると、20日のデモでは少なくとも3人が治安部隊に殺害されたという。
西アフリカではクーデターが相次いでいる。マリ軍は2020年8月と昨年5月に、ギニア軍は昨年9月、ブルキナでは今年2回目のクーデターが今月発生した。
マリとブルキナはECOWASと選挙時期について合意しており、マリ軍は2024年3月までに実施する予定だが、ブルキナは今月のクーデターで雲行きが怪しくなってきた。
ECOWASは日程以外にも、選挙の実施方法や、軍指導部の立候補などにも懸念を示している。
ドゥンブヤ氏は今月初め、自分を含む軍指導部のメンバーは選挙に立候補しないと改めて表明した。
ドゥンブヤ氏はコンデ(Alpha Conde)前大統領を拘束し、政権を奪取。暫定大統領に就任した
コンデ氏は2010年に行われたギニア初の民主的な選挙で勝利し、第3代大統領に就任した。初代大統領は26年、2代は24年権力を保持している。
しかし、コンデ氏は2020年に憲法を改正し、大統領の多選制限を3期に変更。激しいデモに直面した。
地元の権利団体などによると、治安部隊はこのデモの取り締まりで市民少なくとも60人を殺害したという。
コンデ氏は3選を果たしたが、ドゥンブヤ氏率いる反乱軍に拘束され、失脚した。