◎2009年9月、治安当局はカマラ被告の大統領選出馬計画に抗議して首都コナクリのスタジアムに集まったデモ隊に向けて発砲。少なくとも157人が死亡し、数十人の女性がレイプされた。
2021年10月1日/ギニア、首都コナクリ、暫定大統領に就任したドゥンブヤ大佐(中央)(Getty Images/AFP通信)

西アフリカ・ギニアの軍事法廷は7月31日、少なくとも157人が死亡し、数十人の女性がレイプされた2009年のスタジアム大虐殺における「人道に対する罪」で元軍政指導者ムサ・ダディ・カマラ(Moussa “Dadis” Camara)被告に禁固20年を言い渡した。

国営テレビによると、判事は「人道に対する罪」に分類される殺人、誘拐、レイプの罪でカマラ被告と他の元高官7人に有罪判決を、4人に無罪を言い渡したという。

この裁判は22年11月から始まり、100人以上の生存者や被害者の親族が証言した。

被害者の親族である男性は地元テレビ局の取材に対し、「多くの兄弟が虐殺され、女性がレイプされたのに、禁固20年はあまりに軽すぎる」と語った。

兄を殺害されたという女性は、「あの日、私の心は兄と共に死んだ」と述べた。

2009年9月、治安当局はカマラ被告の大統領選出馬計画に抗議して首都コナクリのスタジアムに集まったデモ隊に向けて発砲。少なくとも157人が死亡し、数十人の女性がレイプされた。

当時の軍指導部は前年にクーデターを起こしていた。

カマラ被告は「陸軍の制御不能な集団が暴走し、デモ隊に向けて銃を乱射、女性をレイプした」と主張している。

国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウオッチが行った調査によると、カマラ被告と側近はその時スタジアムにいたものの、虐殺を放置し、何もしなかったという。

21年9月のクーデターで政権を奪取した現在の最高指導者であるドゥンブヤ(Mamady Doumbouya)大佐は25年初頭までに民主的な選挙を行うと約束している。

アフィリエイト広告
スポンサーリンク