◎国連、アフリカ連合(AU)、西アフリカ諸国経済共同体(ECOWAS)は軍事クーデターを非難し、文民統制を遵守するよう求めた。
ギニアの現地メディアによると、アルファ・コンデ大統領を打倒した軍当局は「数週間以内に新しい連合政府が形成される」と述べたという。
軍事クーデターを主導した陸軍特殊部隊のママディ・ドゥンボウヤ大佐は6日、コンデ政権に仕えた高官や公務員に対する魔女狩りは実施しないと述べ、政府当局者の亡命と国外への逃亡を禁じた。
コンデ大統領は5日に拘留されたと伝えられているが、安否は明らかにされていない。
国連、アフリカ連合(AU)、西アフリカ諸国経済共同体(ECOWAS)は軍事クーデターを非難し、文民統制を遵守するよう求めた。
ドゥンボウヤ大佐は国営テレビが報じた声明の中で、「新政府の発足に向けた協議は始まっており、まもなく移行を推進する全国規模の組合が結成される」と述べたが、新政府の正確な発足日と民主的な選挙を実施するかどうかについては明言しなかった。
ギニアは天然資源の豊富な国だが、長年の管理ミス、汚職、不安の影響で経済は低迷し、世界で最も貧しい国のひとつから抜け出せずにいる。
ドゥンボウヤ大佐は、「憎しみや復讐はない」と語った。「私たちに憎しみや復讐の精神はありません。魔女狩りも行いません。正義は全てのギニア市民を導く羅針盤になるでしょう」
またドゥンボウヤ大佐は、旧政府の高官に国外への移動を禁じ、公用車を軍に引き渡すよう命じた。「解散した旧政府の高官は国境を越えることはできません。すべての渡航文書と公用車を軍に提出してください。国境は少なくとも1週間閉鎖されます...」
一方、首都コナクリで活動する主要メディアによると、通りに集まった多くの市民が軍事クーデターとドゥンボウヤ大佐を称賛したという。
AP通信の取材に応じたある男性は、「私たちは自由です」と叫んだ。通りに集まった市民たちは軍当局の車両が通過すると、「自由!自由!自由!」「ドゥンボウヤ!ドゥンボウヤ!ドゥンボウヤ!」と絶叫した。
ドゥンボウヤ大佐は国内の鉱業会社に操業を継続するよう要請し、これらの企業は夜間外出禁止令を免除されると述べた。
ギニアはアルミニウムの原料であるボーキサイトの主要産出国のひとつである。クーデター後、アルミニウムの価格は供給への懸念を受け、10年ぶりの高値を付けた。
ドゥンボウヤ大佐は5日の夜に国営テレビが放送した声明の中で、「政府を解散し、憲法を廃止し、国境を閉鎖した」と述べ、全国を対象とする夜間外出禁止令を発令した。
ギニア軍の故ランサナ・コンテ大佐は1984年に政権を掌握し、20年以上軍事独裁体制を維持した。しかし、コンテ大佐が亡くなった直後に軍事クーデターが発生し、その後紆余曲折を経て2010年に独立以来初となる自由で公正な選挙が行われた。
2010年の大統領選挙で初当選を果たしたコンデ大統領は昨年、大統領の任期を5年から6年に変更し、任期制限をリセットする憲法改正国民投票を実施し、その後の大統領選挙で3期目の当選を果たした。
デ大統領はギニアに経済成長をもたらしたと称賛されたが、人権活動団体や批評家は人権侵害と嫌がらせが横行しているとコンテ政権を非難していた。
主要野党の憲法防衛のための国民戦線(FNDC)の創設メンバーであるママドゥ・ナグナレン・バリー氏はロイター通信に、「私を含む市民はクーデターに様々な感情を抱いているが、多くの市民が政府の解散を歓迎した」と語った。「私たちはクーデターに満足したくありませんが、旧政府を放置すればギニアは立ち往生することになったでしょう。私を含む市民はクーデターに満足しています。権力をひとり占めしたい男(コンデ大統領)は全てを手に入れたいと考えていました」
バリー氏は、「文民統制を確立し、権力を国民に返還し、民主的な選挙への移行を望んでいる」と付け加えた。
ギニアのGDPはボーキサイト、金、ダイヤモンドを含む豊富な鉱物資源のおかげで順調に成長しているが、人口の45~50%が貧困ライン以下の極貧生活を余儀なくされている。