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ギニア軍政、シエラレオネ兵16人の拘束を確認、緊張高まる

国防省は声明で、16人が24日に無許可で国境を越え、ギニア領内でテントを設置し自国の国旗を掲げていたため拘束したと明らかにした。
2021年9月5日/ギニア、首都コナクリの大統領府近く(AP通信)

ギニアの軍事政権は25日、隣国シエラレオネの兵士16人を拘束したことを正式に確認した。国防省は声明で、16人が24日に無許可で国境を越え、ギニア領内でテントを設置し自国の国旗を掲げていたため拘束したと明らかにした。この発表は両国間で続く国境紛争の緊張を改めて浮き彫りにした。

軍政よると、事件が起きたのは東部の国境地帯、16人は地上部隊として活動していたという。国防省声明では、シエラレオネ兵が許可なくギニア領に侵入し、テントを張って国旗を掲げたため、ギニア軍が対応し装備や物資とともに拘束したとしている。拘束された兵士と押収された物資は警察に引き渡され、調査が進められているという。

一方で、シエラレオネ政府はこの出来事について異なる説明を示している。シエラレオネ側は事件発生前日の2月23日に自国の治安部隊が国境警備のための施設建設に従事していた際にギニア軍に拘束されたと主張している。シエラレオネ情報省の声明によると、治安部隊の一部は国境を示す看板や宿舎の建設のために作業をしていたところ、ギニア軍が同地域に進入し数名を拘束、シエラレオネ領内から連れ去ったとしている。これらの部隊には少なくとも1人の将校が含まれ、武器や弾薬も押収された。シエラレオネ政府は拘束された人員の安全かつ無条件の解放を求めて外交・安全保障ルートを通じて対応していると述べ、事実確認のため現地への調査団を派遣したことも明らかにした。

この事件は西アフリカにおけるギニアとシエラレオネの長年にわたる国境紛争という背景の中で発生している。両国の国境問題は1991~2002年のシエラレオネ内戦に端を発し、紛争中にシエラレオネ政府が東部国境の防衛協力を求めてギニア軍を招いたが、戦後もギニア軍が完全撤退しなかったことから領有権をめぐる緊張が続いている。特に鉱物資源に恵まれた境界地域を巡る主張が交錯し、これまでも国境付近での衝突や対立が散発していた。

今回の拘束事件については、地域の安定に影響を及ぼす懸念が広がっている。シエラレオネ政府は地域機構であるECOWAS(西アフリカ諸国経済共同体)などに事態を報告し、調停や事実確認を求める動きを強めている。これに対しギニア軍は自国の防衛力を強化し、領土保全に努める姿勢を示しているとの報道もある。

専門家は、今回の出来事が武力衝突に発展しないよう、両国が対話を通じて事実関係の解明や緊張緩和に努める必要があると指摘する。地域全体の安全保障と安定にとって、外交的な解決が最も重要だとする見方が出ている。

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