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ギニアビサウ軍政が野党指導者を釈放、ECOWASに配慮か

ペレイラ氏は政権転覆後に拘束されたが、今回の措置により自宅軟禁に移された。
アフリカ西部・ギニアビサウ、首都ビサウ(AP通信)

アフリカ西部・ギニアビサウで昨年11月にクーデターを起こした軍事政権が2日、野党指導者であるペレイラ(Domingos Simões Pereira)氏を釈放したと発表した。ペレイラ氏は政権転覆後に拘束されたが、今回の措置により自宅軟禁に移された。同時に軍政は暫定政権に野党も参加させる「包摂的」政府の樹立を約束し、ECOWAS(西アフリカ諸国経済共同体)など地域・国際社会への配慮を示した。

ペレイラ氏は野党PAIGCの有力者であり、かつて政権運営に関わっていた。軍政は同氏を経済犯罪の疑いで拘束していたが、釈放して自宅軟禁とした。これについて軍政は「完全な釈放ではなく、現状の政治状況を踏まえた条件付きの解放である」と説明している。

この動きはECOWASからの圧力を受けた対応とみられている。ECOWASはギニアビサウを加盟停止措置とし、早期の文民統治への移行を強く求めている。軍政が一部の野党勢力を移行政府に取り込む姿勢を示した背景には、国際社会の圧力を和らげる狙いがあると見られている。

軍政を率いるホルタ・ウンタ・ナマン(Horta Inta-A Na Man)将軍はECOWASや関係国に宛てた書簡で、PAIGCを含む野党にも3つの閣僚ポストを割り当てる方針を示した。野党は昨年の大統領選でエンバロ(Umaro Sissoco Embalo)大統領に対抗し、軍政側は選挙戦で影響力を持った政治勢力の代表も政権に参加させる考えを強調した。

大統領選に出馬したディアス(Fernando Dias)氏はクーデター後、在ナイジェリア大使館に避難していたが、現在は身柄拘束の対象から外れているという。報道によると、同氏も新たな政治枠組みへの参加を模索しているという情報が伝えられている。ただし、ディアス氏自身やペレイラ氏はコメントを出していない。

ギニアビサウにおけるこの軍事介入は、ここ5年で西・中央アフリカ地域で発生した9件目のクーデターとなり、国内の政治・社会不安を象徴する出来事となった。クーデター後、選挙管理委員会は大統領選を継続できない状況に陥ったと発表、有権者の投票用紙や選挙データが武装勢力によって押収・破壊されたと報告している。これを受けて、選挙日程が軍政の命令により26年12月6日に再設定されたが、その実施には依然として不透明感が漂っている。

軍政が「包摂的移行政府」の構築と政治犯の解放を進める動きは、外圧を受けた妥協の産物と見られるが、真の政治的安定や民主的な選挙への回帰が実現するかどうかは不透明な情勢だ。ECOWASや国際社会は引き続きギニアビサウに対し、文民政府の早期樹立と民主的プロセスの再開を働きかける構えである。

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