ギニアビサウ選管、大統領選の結果公表できず、武装集団が事務所破壊
身元不明の武装集団が選管事務所を襲撃し、投票用紙や集計表、さらには投票結果を記録したサーバーなどを押収または破壊した。
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ギニアビサウで11月23日に行われた大統領選挙について、選挙管理委員会は12月2日、最終結果を公表できないと明らかにした。
それによると、身元不明の武装集団が選管事務所を襲撃し、投票用紙や集計表、さらには投票結果を記録したサーバーなどを押収または破壊したという。
選管は記者会見で、「物理的・物流的な条件が全く整っておらず、結果の公表を含む選挙手続きを完遂することは困難である」と述べた。
軍当局は11月26日のクーデターで政権を掌握。選管によると、その日に武装した覆面の男たちが事務所に押し入り、45人の職員のパソコンや携帯電話を没収。地域ごとに集められた集計表はすべて奪われ、サーバーも粉々に破壊されたという。
軍による実権掌握後、ホルタ・ウンタ・ナマン(Horta Inta-A Na Man)将軍が暫定大統領に就任、任期は最大1年としている。
その後、ナマン氏は新内閣(28人)を立ち上げ、選挙の打ち切りが事実上決まった。
この選挙では結果発表を目前に、現職のエンバロ(Umaro Sissoco Embalo)大統領と野党候補がそれぞれ当選を主張。軍は政権掌握後、エンバロ氏を解任した。
選管は暫定結果を11月27日に公表する予定であった。
今回の事態について、ECOWAS(西アフリカ諸国経済共同体)は強く批判し、憲政秩序と選挙プロセスの回復を要求している。軍政当局に対し、迅速か・公正・透明な選挙の再開を促しており、 制裁の可能性も示唆されている。
ギニアビサウは1974年のポルトガルからの独立以降、政治的に不安定な時期が長く続き、何度もクーデターや未遂に見舞われてきた。
過去には選挙後の政変も繰り返されており、今回のような選挙の中断と軍事介入は国の民主主義の先行きに大きな疑問符を投げかける。
現時点では、誰が正式に大統領となるのか、選挙結果が再集計されるのか、あるいは新たな選挙がいつ実施されるのか、いずれも未定だ。国際社会、特に地域の関係機関の監視と圧力の中で、ギニアビサウがどのような政治的未来を歩むか、注目が集まっている。
