ギニアビサウで軍事クーデター、11月23日に大統領選挙も両候補が勝利宣言
同国では11月23日に大統領選が行われたばかり。
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アフリカ西部・ギニアビサウの軍報道官が26日、国営テレビに出演し、国の全権を掌握したと宣言した。
現地メディアによると、大統領官邸付近で銃声が聞こえたという。
同国では11月23日に大統領選が行われたばかり。エンバロ(Umaro Sissoco Embalo、53歳)大統領はコメントを出していない。
軍司令官の報道官はテレビ演説で、「国家及び公共秩序回復のため、軍事司令部は共和国大統領を即時罷免し、新たな命令があるまで全機関を停止することを決定した」と語った。
また報道官は「これは選挙結果を操作しようとすることで国家を不安定化させる計画が発覚したことへの対応だ」と説明した。
さらに「この計画は著名な麻薬王や一部の政治家によって企てられた」と述べた。
報道官は「現行の選挙プロセスとメディアの活動を直ちに停止し、すべての国境を閉鎖する」と宣言した。
エンバロ氏は24日、首都ビサウの選挙事務所で過半数を獲得したと主張。「決選投票は不要だ」と述べた。
これに対し、ライバルの野党候補フェルナンド・ディアス(Fernando Dias)氏も「我々は大統領選に勝利した。決選投票は不要だ。国民は疲弊しており、変化を求めている」と主張した。
エンバロ氏の任期は9月4日に満了したものの、現在も政権にとどまっている。
ギニアビサウの憲法では大統領の任期は5年で、最大2期までと定められている。野党はエンバロ氏の任期は2月27日までと主張しているが、最高裁は9月4日までと裁定した。
しかし、エンバロ氏は大統領選を含む総選挙の日程を11月末に設定。それまで任期を継続すると表明し、緊張をさらに高めた。
野党はこれを違法な権力掌握と非難し、市民に抗議するよう呼びかけている。
元陸軍大将であるエンバロ氏は2020年の就任以来、複数回のクーデター未遂に直面。2022年には大統領官邸付近で銃撃戦が発生した。
