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コンゴ東部ゴマ、陥落から1年、危機的な状況続く

25年1月の激しい戦闘の傷跡が今も残る中、市民は日常生活を取り戻しつつあるものの、経済の復活には程遠く、貧困と不安が広がっている。
2025年1月31日/コンゴ民主共和国、北キブ州ゴマの通り(AP通信)

コンゴ民主共和国東部の最大都市ゴマ(北キブ州)はルワンダの支援を受ける反政府勢力「M23(3月23日運動)」の支配下に置かれてから1年が経過し、都市機能と住民生活は困難な状況に置かれている。25年1月の激しい戦闘の傷跡が今も残る中、市民は日常生活を取り戻しつつあるものの、経済の復活には程遠く、貧困と不安が広がっている。

M23はルワンダ政府の支援を受け、コンゴ東部の鉱物資源に富む地域で勢力を拡大してきた最大級の組織であり、100を超える武装集団が拠点を争う中でゴマを含む北キブ州の大半を掌握した。同地域の紛争は深刻な人道危機を生み出し、国連によると、700万人以上が国内外で避難生活を余儀なくされている。

ゴマ市内中心部の銀行街は象徴的な変化を遂げている。かつて賑わった銀行の建物は閉鎖され、ATMは稼働せず、銀行の看板も取り外されたままだ。住民は現金の引き出しや送金に携帯電話を使ったモバイル決済サービスにほぼ完全に依存しているが、手数料は1回あたり最大3.5%にのぼり、収入のほとんどない家庭にとっては大きな負担となっている。

市中心部の市場にで一定の賑わいが見られるものの、商品販売は活気を失っている。野菜や小麦粉、衣類などを並べる売り手たちは日々の生活必需品を売りながらも、顧客の購買力が低下している現実を痛感している。12人の子どもを抱える母親は高値で仕入れた商品がほとんど売れず、子どもたちを学校に通わせる余力もないと語っている。

郊外の地区でも生活は静まり返り、住民の間に諦観が広がっている。「以前は商売で稼いだ金で食事や医療をまかなえたが、今はもう蓄えもなく、M23が家から持ち去った」と地元住民は述べ、食料や住居、生存の確保が最優先だと強調した。

専門家は金融機関が機能しない現在の状況を分析し、「銀行がなければ経済の回復は不可能だ。信用も投資もなく、貯蓄を守る手段すらない」と述べている。購買力の低下と失業率の上昇、給与水準の低迷が市民生活をさらに追い詰めているという。

ゴマ陥落から1年を経た今日も、市民は不安定な未来の中で日々を生き抜くしかない状況にある。専門家は治安と経済の安定の回復がなければ、同都市の復興は遠いとの見方を示している。飢えや貧困といった生活の基盤に直結する課題が依然として山積し、地域全体の安定には国際社会の支援と包括的な和平交渉が不可欠だ。

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