◎ガーナは数年前まで高い成長率、石油生産の増加、投資家の強い関心などから、アフリカ大陸の模範とされてきた。
ガーナ政府は19日、ユーロ債を含む対外債務の返済を一時的に停止すると発表した。
財務省は声明で、「政府は本日、対外債務の一部のカテゴリーを再構築するにあたり、支払いを一時停止する」と述べている。
また同省はこの決定について、「同国の経済・財政・社会的状況のさらなる悪化を防ぐことを目的としている」と説明した。
ガーナは50%を超えるインフレ率、通貨の暴落、食料・燃料・水道料金の高騰などの影響で深刻な経済危機に直面している。
一部のアナリストと投資家は「債務不履行は避けられない」と指摘している。
財務省は声明の中で、「中銀の外貨準備を含む国の財源は限られており、この重大な局面から国民を守らなければならない」と述べている。
また同省は「返済停止は一時的な措置であり、すべての関連債権者との合意が得られるまでの暫定的な緊急措置である」とした。
対象はユーロ債、日本の対外債務の大半、コマーシャルタームローン、2国間債務。除外されるのは多国間債務と19日に契約された新規債務のみである。
ガーナは数年前まで高い成長率、石油生産の増加、投資家の強い関心などから、アフリカ大陸の模範とされてきた。
しかし、ガーナも他国と同様、コロナの大流行とウクライナ侵攻に端を発するインフレの影響を避けることはできなかった。
アクフォアド(Nana Akufo-Addo)大統領は「援助なきガーナ」を公約に掲げてきたものの、債務不履行を回避するために国際通貨基金(IMF)から30億ドルの融資を受けることで合意した。
多くの投資家が「ガーナは沈む」と判断し、市場から撤退しつつある。
政府とIMFの合意には債務再編が含まれている。国民はこの合意によって政府がさらなる緊縮財政を強いられ、国民に増税などの負担を求めるのではないかと懸念している。