ガーナ25年9月インフレ率9.4%、9カ月連続で前月下回る
25年9月のインフレ率は前年同月比9.4%増、9カ月連続で前月を下回り、21年8月以来の低水準となった。
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アフリカ西部・ガーナの統計局が1日、最新の消費者物価指数(CPI)を公表した。
それによると、25年9月のインフレ率は前年同月比9.4%増、9カ月連続で前月を下回り、21年8月以来の低水準となった。8月は11.5%であった。
統計局のイドリス(Alhassan Iddrisu)局長は記者会見で、「非食品価格の低下がインフレ率を押し下げた」と説明した。
またイドリス氏は「インフレの低下は価格の持続的な変化を示しており、ガーナがマクロ経済安定への道を確実に歩んでいることを示唆している」と強調した。
中央銀行は先月、持続的なインフレ率の低下とマクロ経済見通しの改善を理由に、政策金利を3.5ポイント引き下げ、21.5%に設定した。
中銀はインフレ率が2025年第4四半期(10~12月)までに目標である6~10%に達すると見込んでいた。
ガーナの経済は西アフリカの中でも比較的安定しており、多様な資源に支えられている。主な産業は農業、鉱業、石油・天然ガスである。特にカカオ豆の生産は世界有数で、経済の重要な柱となっている。また、金やボーキサイトなどの鉱物資源も豊富で、これらの輸出が外貨収入を支えている。
2007年には沖合で石油が発見され、2010年以降は石油輸出も本格化した。これにより経済成長率は一時的に上昇したが、近年は財政赤字や債務問題が深刻化しており、国際通貨基金(IMF)の支援を受けている。
インフラの未整備や高い失業率、通貨の不安定さといった課題も多いが、教育やICTの分野における投資が進んでおり、中長期的な成長が期待されている。ガーナ政府は経済の多角化を目指しており、工業化や観光業の振興にも力を入れている。