◎ブルキナファソと隣国マリを中心とするサヘル地域では国際テロ組織アルカイダやイスラム国(ISIS)系の過激派が猛威を振るっている。
ガーナ政府がブルキナファソから逃れてきた難民数百人を強制送還した。国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)が13日、明らかにした。
それによると、送還されたのは約250人で、そのほとんどがガーナ北部の国境近くに避難した女性と子供だったという。
UNHCRは公式ホームページに声明を掲載。ガーナ政府に対し、強制送還を直ちにやめ、庇護を求めるブルキナ市民の命を守るよう訴えた。
またUNHCRは国際法を念頭に、「拷問、虐待、残酷な仕打ちを受ける可能性がある国に苦しんでいる人々を送り返すことはできない」とし、ガーナ政府は国際法を無視していると非難した。
ブルキナと隣国マリを中心とするサヘル地域では国際テロ組織アルカイダやイスラム国(ISIS)系の過激派が猛威を振るっている。
2015年以降の暴力で死亡した市民と兵士は1万人を超え、200万人以上の国内避難民になり、数十万人が国外に逃亡。その一部は北アフリカから人身売買業者の船に乗り、西欧に亡命した。
国連によると、昨年7月以降にブルキナから逃れた市民は推定4万人。その半数がマリ、約1万1000人がニジェール、8千人がガーナに逃れたとされる。
国連はガーナ政府と連絡を密に取り、難民の受け入れをサポートしている。同国の首都アクラ郊外には数千人を収容できる難民受け入れセンターが設置されている。
ガーナ政府は13日、UNHCRの声明を「根拠のないもの」と非難し、「同国は帰国を希望するブルキナ市民のみ、本国に送還している」と反論した。