ガーナ25年11月インフレ率6.3%、11カ月連続で前月下回る
低下の背景には食品関連の価格上昇が大きく鈍化したことがある。
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ガーナの2025年11月の消費者物価指数(CPI)が前年同月比で6.3%増となり、11カ月連続で鈍化した。統計局が3日、明らかにした。
25年10月のインフレ率は8.0%であった。
低下の背景には食品関連の価格上昇が大きく鈍化したことがある。食品インフレ率は10月の9.5%から11月には6.6%に低下。非食品(衣料、住居、交通、サービスなど)も6.9%から6.1%へと落ち着いた。
さらに、国内生産品・輸入品を問わず価格安定が進んでおり、輸入品の価格上昇が緩やかになったことも全体のインフレ抑制に寄与したという。
こうした物価の安定傾向はガーナ経済全体の回復と整合的だ。同国は過去数年で深刻な経済危機を経験、最近は需給のバランス回復、為替や輸入コストの安定化などが進み、インフレ圧力が後退している。
これを受けて、中央銀行は金融政策を軟化させている。今年、主要政策金利を段階的に引き下げ、先月末の会合では3.50ポイントの引き下げを実施した。これは、物価安定と経済回復を見据えた判断である。
なお、昨年末(2024年12月)のインフレ率は23.8%に達し、ここ1年で物価上昇圧力が大きく和らいだことが分かる。
統計局長は記者会見で「国内価格の安定、国際市場の状況も落ち着きを取り戻しており、物価はこれまでで最も安定している」と述べた。
今回のインフレ鈍化は食品・非食品ともに広く価格圧力が弱まっており、持続的なデフレ懸念ではなく「安定した経済環境への移行」との見方が主流だ。加えて、中銀による利下げと金融緩和政策は企業や家計の資金コストを下げ、経済活動の回復を後押しする可能性がある。
ガーナは世界的な資源国でもあり、輸入物価の影響を受けやすいが、通貨の安定化や国際商品の価格変動の鎮静が功を奏し、インフレ抑制につながっている。今後もこの傾向が続けば、家計の購買力回復や国内需要の拡大につながる可能性がある。
