SHARE:

ガーナ2025年金生産量170トン、過去最高に、懸念も

金価格が高水準で推移したことや、最近実施された鉱業改革が市場への小規模供給を促進したことが、記録的生産につながったとされる。
金塊(Getty Images)

ガーナの2025年の金生産量が過去最多の600万オンス(約170トン)に達した。ガーナ鉱山会議所が12日、明らかにした。これは同国がアフリカ最大の金産出国であることを裏付ける記録的な数字で、過去の生産量を大幅に上回る成果となった。同会議所の責任者はロイター通信の取材に対し、特に小規模・手掘り鉱業(ASM)の生産増が全体の生産量を押し上げたと説明した。ASM部門は約310万オンスを生産し、大規模鉱山の290万オンスを上回ったという。

金価格が高水準で推移したことや、最近実施された鉱業改革が市場への小規模供給を促進したことが、記録的生産につながったとされる。ガーナ鉱山会議所はアフリカ鉱業カンファレンスの会合で、「金価格の上昇が関係者の活動を活発化させ、非公式市場からの供給を合法的なルートに移行させる動きを後押しした」と述べた。これにより、ガーナ国内の鉱山からの金供給が効率的に集積・販売されるようになったという。

一方で、業界関係者は2026年の生産見通しについて懸念を示している。ガーナ政府が計画している鉱物ロイヤルティ(採掘税)の抜本的見直しが、新規プロジェクトや鉱山拡張計画に悪影響を及ぼす可能性があるためだ。政府案では固定税率を廃止し、金価格に連動する5%から12%の変動税率を導入することが検討されている。鉱業協会側は、この制度変更が投資判断を鈍らせ、プロジェクトの実行を遅らせるリスクをはらんでいると指摘している。

会社側は税率が引き上げられれば現金流が圧迫され、採掘計画が見直される可能性があると懸念する。協会が入手した分析資料では、金価格が1オンスあたり2044ドルの想定で税率が5%から7%に引き上げられた場合、金鉱山の正味価値が8%減少し、一般的な採算ラインを下回る可能性が示されている。また、鉱山拡張計画も経済性が損なわれかねないとしている。これらプロジェクトは合わせて1300人余りの新規雇用と、将来的に8億ドル超の税収・ロイヤルティを見込んでいた。

また、鉱山界隈では新たな税制が労働市場にも影響を及ぼしかねないとの懸念が強まっている。ASMの多くは現地コミュニティの重要な雇用源となっており、その動向が変わることで地域経済が不安定化するリスクも指摘されている。ガーナの金生産は輸出収入の大きな柱の一つで、国内総生産(GDP)や外貨準備の支えとなっているだけに、政策変更の是非を巡る議論は今後も続きそうだ。

アフリカ最大の金生産国としての地位を維持するガーナだが、環境規制や税制改革が業界全体の投資環境にどのような影響を与えるかは今後の焦点となる。業界団体は政府と対話を続け、持続可能な成長と地域社会への貢献を両立させる方策を模索している。

この記事が気に入ったら
フォローしよう
最新情報をお届けします