ガンビア当局、欧州を目指す移民780人を拘束
内務省によると、同国をスペイン領カナリア諸島行きの出発地点として利用しようとした移民を対象に、複数箇所で摘発・抑止措置を実施したという。
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アフリカ西部・ガンビア政府は9日、ヨーロッパへの渡航を試みていた780人超の移民を国内各地で拘束したと発表した。内務省によると、同国をスペイン領カナリア諸島行きの出発地点として利用しようとした移民を対象に、複数箇所で摘発・抑止措置を実施したという。
内務省は声明で、「1月3日から複数の特別作戦を展開し、計782人の移民を各地で確認・拘束した」と説明した。その内訳はセネガル国籍が233人、ガンビアが197人、ギニアが176人、マリが148人など西アフリカ各国の若年層が中心だった。ガンビア当局は特別作戦チームを展開し、情報に基づく強制措置によって移動を阻止したとしている。
当局は声明で、ガンビアを経由して大西洋を渡りスペイン・カナリア諸島を目指す移民の急増を懸念していると述べた。最近、セネガル、モーリタニア、モロッコなどが海上パトロールを強化したことを受け、移民や人身売買組織が出発地点をより南方の国々へと移しているという。
ガンビア沖では大晦日にカナリア諸島を目指した過積載の小型船が転覆し、少なくとも31人が死亡する事故が発生していた。この事故を受け、当局は移民阻止に向けた取り組みを強化していた。
西アフリカからスペイン領カナリア諸島へ向かう大西洋ルートは、過密で老朽化した船舶を用いて長距離を航行するため、世界で最も危険な移民ルートの一つとされている。過去数年にわたり何万人もの若者がこの航路を選び、命を落とす事故や行方不明となるケースが相次いでいる。
ガンビア政府は移民や密航対策を強化するため、沿岸警備や海上監視の体制を強化するほか、地域内の国々と協調した取り組みの必要性を訴えている。一方で、経済的困窮や失業などが若年層の渡航動機となっている現状を踏まえ、長期的な解決には雇用機会の創出や生活環境の改善が不可欠との指摘もある。
国際機関や人権団体は、西アフリカ全域での移民危機の背景にある貧困や不安定な政治・社会状況への対策を求めている。特に過去の事故で多くの命が失われていることから、救助体制や安全な移動手段の確保に対する国際的な支援強化が求められている。今後、EUや地域機構との協力を通じた対策強化の動きが注目される。
