◎アフリカ大陸の動物は密漁、人間が持ち込んだ病気、伐採などによる生息地の喪失に直面している。
ガボン政府は絶滅危惧種に指定されているマウンテンゴリラを保護するために、エコツーリズム(生態観光)を推進している。
ガボン政府は人間に育てられた2頭のマウンテンゴリラを2つの生息地に放し、監視している。1頭はロアンゴ国立公園、もう1頭は首都リーブルビルの南600kmに位置するムカラバ・ドゥドゥ国立公園で生活している。
しかし、2頭が野生に戻るには数年かかると指摘されている。
エコツーリズムガイドのヘルマン氏はアフリカニュースのインタビューの中で、「野生のゴリラは警戒心がとても強く、信頼関係を築くのは本当に大変」と説明した。「国立公園に放した2頭は人間を信頼し、私の横で普通に昼寝します...」
ロアンゴ国立公園に生息するマウンテンゴリラは1500頭と推定されている。
ロアンゴ・ゴリラ・プロジェクトのマネージャーであるヴォクト氏によると、観光にゴリラ観察を取り入れることで、ゴリラの保護に必要な資金を集めつつ、ゴリラを含む希少動物の現状や様々な問題を観光客に伝えることができるという。
ヴォクト氏はアフリカニュースに、「マウンテンゴリラはこの土地の旗艦(司令官が乗っている軍艦)のようなもので、非常にカリスマ性があり、ゴリラの保護は他の希少種の保護にもつながる」と説明した。
アフリカ大陸の動物は密漁、人間が持ち込んだ病気、伐採などによる生息地の喪失に直面している。
エコツーリズムはガボン政府が推進する環境保護政策の中核をなすものであり、マウンテンゴリラだけでなく自然そのものの保護につながると期待されている。
ヘルマン氏は「ガボンでマウンテンゴリラを見た観光客はゴリラ保護の大使になる」と述べ、多くの観光客にアフリカの自然の現状を見てほしいと訴えた。「密漁や自然破壊を続ければ、マウンテンゴリラを含む多くの希少な動物は近いうちに絶滅するでしょう...」
ガボンのマウンテンゴリラの個体数は1990年代初頭の時点で絶滅寸前まで減少したが、保護活動やエコツーリズムを推進することで倍以上に増やすことに成功した。ルワンダやウガンダも同様の取り組みを行っている。