▽交通事故を起こしたタンクローリーからガソリンが漏れ出し、人だかりができた後、爆発した。
アフリカ西部・ナイジェリア中部ナイジャ州スレジャで石油タンクローリーが爆発した事故について、中央政府は19日、これまでに86人の死亡が確認されたと明らかにした。
事故は18日の早朝に発生。交通事故を起こしたタンクローリーからガソリンが漏れ出し、人だかりができた後、爆発したという。
非常事態省は声明で、「複数人が発電機を使ってタンクローリーから別のトラックにガソリンを移そうとし、作業を始めた直後に出火・爆発した」と明らかにした。
その結果、タンクローリーの周りに集まっていた人たちが爆発に巻き込まれた。
非常事態省の報道官はAP通信の取材に対し、「これまでに86人の死亡を確認し、55人がスレジャ市内の3つの病院で治療を受けている」と語った。
それによると、遺体の多くは性別の見分けがつかないほど損傷しているという。
ロイター通信は目撃者の話しとして、「タンクローリーの周りには動画を撮る人、ガソリンを集めようとする人、記念撮影する人など、100人以上が集まっていた」と伝えている。
ナイジェリアではタンクローリーが絡む事故が多発している。
ナイジェリアは世界で最も交通事故の多い国のひとつであり、毎年推定5万~6万人が死亡している。原因の大半が無謀運転とルール無視だ。
同国には貨物を輸送する鉄道システムがないため、その多くをトラックで輸送している。
警察によると、タンクローリーが絡む事故は2020年だけで1531件発生し、535人が死亡、1142人が負傷したという。
北部ジガワ州で昨年10月に発生したタンクローリー爆発事故では170人が死亡、少なくとも70人が重軽傷を負った。
ナイジェリアのガソリン価格はティヌブ(Bola Tinubu)大統領が23年5月の就任時にガソリン補助金を廃止して以来、5倍以上に値上がりしている。