▽23年4月~24年6月の間にハルツームだけで2万6000人以上が死亡。さらに数千人が病気や栄養失調などで死亡したと推定されている。
アフリカ北東部・スーダンの首都ハルツームで国軍と準軍事組織「即応支援部隊(RSF)」の戦闘が激化している。
軍は12月9日、ハルツーム奪還作戦の一環として、市内の給油所を空爆し、少なくとも28人が死亡、多数の負傷者が出た。
軍政とRSFは昨年4月からハルツームなどの支配権を争っている。
この内戦は世界最悪の人道危機に発展。人口の半数以上にあたる約2500万人が飢餓に直面し、数万人が死亡、1300万人以上が避難を余儀なくされ、うち300万~350万人が周辺国に逃れたと推定されている。
激戦が続くダルフール地方では複数の地域で餓死者が出ているという情報もある。被害の全容は明らかになっておらず、調査が進む目途も立っていない。
給与所の空爆を目撃したRSFの衛生兵はカタールの衛星テレビ局アルジャジーラの取材に対し、「軍は民間人を巻き込みながら街を爆撃している」と語った。
また衛生兵はハルツームの戦況について、「一進一退の攻防が続いているようだ」と述べた。「我々の部隊は建物や路地裏に隠れて敵に待ち伏せ攻撃を仕掛けたり、地雷やIED(即席爆発装置)を積極的に活用しています...」
RSFはダルフール5州のうち4州(東、西、中央、南)を支配するも、軍政とその支援民兵が激しい抵抗を続ける北ダルフール州は制圧できずにいる。
国連によると、23年4月~24年6月の間にハルツームだけで2万6000人以上が死亡。さらに数千人が病気や栄養失調などで死亡したと推定されている。