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スーダン内戦、ダルフール地方で「飢饉」拡大、南部攻撃では22人死亡

国連機関などで構成される「総合的食料安全保障レベル分類(IPC)」は5日、激戦が続く西部ダルフール地方の2地域で、急性栄養失調が飢饉レベルに達したと発表した。
2026年1月30日/スーダン、首都ハルツームの水汲み場(AP通信)

スーダンで続く内戦を背景に「飢饉」のリスクがさらに拡大している。国連機関などで構成される「総合的食料安全保障レベル分類(IPC)」は5日、激戦が続く西部ダルフール地方の2地域で、急性栄養失調が飢饉レベルに達したと発表した。この地域では特に5歳未満の栄養不良率が深刻で、過去に飢饉と認定された地域から逃れてきた避難民も多く、食料不足が深刻化している。戦闘で農業生産や食料流通が阻害されていることに加え、国際的な援助の遅れも状況を悪化させている。

スーダンでは2023年4月、国軍と準軍事組織「即応支援部隊(RSF)」との間で権力闘争が激化し、内戦状態となって以降、深刻な人道危機が続いている。これまでに7地域で飢饉が確認され、多くの市民が避難を余儀なくされている。最新のIPC報告によると、この2地域ではまだ公式な飢饉宣言には至っていないものの、飢饉条件を満たす栄養失調が広範に観測され、近隣地域への影響も懸念されている。特に飢餓の脅威は都市部や避難民が集中する場所だけでなく、戦闘が長期化している北ダルフール全域に広がっている。

こうした飢饉拡大の最中、南部コルドファン州でも大規模な暴力が発生した。RSFによる軍病院への攻撃で病院長や医療スタッフを含む22人が死亡し、さらに複数の負傷者が出たという。攻撃を受けた病院は南コルドファンの重要な医療施設で、医療スタッフを狙った攻撃は地域の医療機能を著しく損なう結果となった。人権団体「スーダン医師中央委員会」などは、医療従事者や病院を標的とする行為は国際人道法に反すると批判している。

戦闘はコルドファン地域でも激化し、政府軍とRSF双方が制圧と奪還を巡って激しい攻防を繰り広げている。この結果、農作業や物資輸送が妨げられ、食料や燃料価格が高騰、食料安全保障の崩壊がさらに進行している。国連はスーダン内戦を世界最悪の人道危機の一つに位置付け、飢餓、避難、感染症が同時に拡大する複合的危機の深刻さを繰り返し警告している。

国際社会はこの危機に対応するために人道支援の強化や停戦の呼びかけを行っているが、現場での安全な援助活動は戦闘の激しさやアクセス制限に阻まれている。IPCは報告書の中で、直ちに恒常的な停戦を実現し、人道支援の通路を確保することが、これ以上の飢餓と死を防ぐために不可欠だと訴えている。戦闘と飢饉の悪循環から数百万人を守るため、着実な国際的支援と協力が求められている。

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