ウクライナの前線に送られたケニア人の家族が抗議デモ
ケニア政府によると、これまでに1000人以上のケニア人がロシア軍に加わり、ウクライナでの戦闘に関与したとみられている。
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ケニア人男性がロシアでの仕事を約束されながら、実際にはウクライナ戦争の前線に送られていた問題で、家族らが5日、政府に対し息子の帰国を求める抗議デモを行った。首都ナイロビでは家族や支援者が写真を掲げて行進し、責任の追及と被害者の帰還を求めて国会に請願書を提出した。
ケニア政府によると、これまでに1000人以上のケニア人がロシア軍に加わり、ウクライナでの戦闘に関与したとみられている。現在も少なくとも89人が前線にいるとされ、1人の死亡が確認されているほか、39人が負傷・入院し、28人が行方不明になっているという。すでに帰国した者もいるが、家族と連絡が取れないままのケースも多い。
家族の多くは息子たちがロシアで警備員などの仕事を紹介されて渡航したと説明している。しかし、現地に到着すると契約書に署名させられ、戦闘訓練を受けた後にウクライナの前線へ送られたとされる。ケニアの情報機関は国内の仲介業者や一部の関係者がロシア側と協力し、こうした勧誘を行っていた可能性があると報告している。
抗議に参加した家族は「息子たちを祖国に連れ戻してほしい」と訴え、今回の勧誘は人身取引や強制徴募に当たる可能性があるとして、関係者の刑事責任を追及するよう求めている。すでにケニアでは、この問題に関与したとして2人が人身取引の疑いで逮捕・起訴されている。
また、ウクライナ側はケニア人の捕虜が少なくとも1人いることを確認している。捕虜は通常、戦争終結時に交換されるが、これまでにもロシアとウクライナの間で兵士や民間人の交換が行われた例がある。
ケニア外務省はロシア側と外交的な協議を行い、現地に残るケニア人の帰国や被害の拡大防止を図る考えを示している。家族らは、失業や貧困につけ込む仲介業者によって若者が戦争に巻き込まれているとして、政府により厳しい規制と対策を求めている。ウクライナ戦争が長期化する中、アフリカ諸国の若者が外国の戦争に動員される問題が新たな国際的懸念となっている。
