コンゴ鉱山崩落、途方に暮れる遺族、200人超死亡、反政府勢力の支配下
事故が起きた鉱山は最大都市ゴマの西方約40キロに位置し、2024年初頭からルワンダ政府の支援を受ける反政府勢力「M23(3月23日運動)」が実効支配している。
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コンゴ民主共和国東部・北キブ州にあるコルタン鉱山で1月30日に発生した大規模な崩落事故により、200人以上の鉱山労働者が死亡し、遺族や生存者が悲しみに暮れている。雨によって手掘りのトンネルが崩壊したこの事故は、政府の統制が及ばないままに広範な採掘が行われている地域で起きたもので、犠牲者の多くは低賃金で働く労働者だった。
事故が起きた鉱山は最大都市ゴマの西方約40キロに位置し、2024年初頭からルワンダ政府の支援を受ける反政府勢力「M23(3月23日運動)」が実効支配している。現場では手作業で掘られた数多くの細いトンネルが並行して存在し、支持構造のない状態で作業が続けられてきた。これらのトンネルは粘土質土壌のため雨季には特に不安定になり、崩壊の危険が常に指摘されていた。
ゴマ市内では39歳男性の遺族が自宅に集まり、壁に掲げられた写真を前に悲嘆にくれていた。この男性は10年以上にわたり採掘に従事し、サイト内に自らの採掘区域を持つほどの経験を有していたという。男性は妻と4人の子どもを遺し、長男は5歳だった。
生存者の中には、こうした事故が日常化していると語る者もいる。土砂崩れで兄と5人の友人を失った生存者は男性の遺族に弔意を示した後、AP通信の取材に対し、「仲間が死ぬのを見るのは非常に辛い。しかし生活のため、再び鉱山に戻らざるを得ない」と述べた。それによると、崩落は雨季によく起きる現象で、「雨が降ると土壌が不安定になり、避難する者もいれば、命を落とす者もいる」という。
現場では安全な避難ルートがほとんどなく、支えのないトンネルが連なるため、一つの崩落が多数の坑道に影響を与えることがある。事故が起きた鉱山で働いていた元鉱夫は「人々は好きなところを掘り、安全対策はほとんどない。一つの穴に500人もの鉱夫がいることもあり、並行して掘られたトンネルが崩れると多くの命が危険にさらされる」と語った。また、労働者には保険がなく、遺族が補償を受けられる可能性は極めて低いという。
鉱山で産出されるコルタンはコロンバイト・タンタライトと呼ばれる鉱石で、そこから得られるタンタルやニオブはスマートフォンやコンピューター、自動車の電子機器、航空機エンジン部品などに使われる重要なレアアース資源だ。これらの資源は米国やEU、中国、日本など多くの国で戦略的価値を持ち、同鉱山は長年にわたり地域内外から労働者を引き寄せてきた。
一方、鉱山がある地区の住民は2週間近く外界とほぼ遮断された状態に置かれている。鉱山町は携帯電話ネットワークやインターネットが断続的で、通信手段としては民間の衛星インターネットサービスを使って連絡を取る必要があるという。こうしたインフラの脆弱さや継続する紛争が、救援活動や情報伝達を困難にしている。
中央政府は公式声明で犠牲者遺族への連帯を表明するとともに、M23が地域の資源を違法に安全性を無視した形で活用していると非難した。これに対しM23側は政府が悲劇を政治利用していると反論し、他の鉱山での崩落例を挙げて安全対策の欠如はコンゴ全体の問題だと主張している。
今回の事故は鉱物資源の豊富なコンゴ東部における長年の紛争と、規制の及ばない鉱山労働の危険性を改めて浮き彫りにしている。多くの遺族が補償を受けられず、生活の糧を得るために鉱山に戻るしかないという現実は、地域社会に深刻な打撃を与えている。
