イスラム過激派が集落を襲撃、162人殺害 ナイジェリア
今回の襲撃は近年で最も死者数の多い事件の一つとされ、国際的な非難と国内の治安懸念が一段と高まっている。
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ナイジェリア中部クワラ州で武装勢力による襲撃があり、少なくとも162人が殺害された。地元当局が4日、明らかにした。今回の襲撃は近年で最も死者数の多い事件の一つとされ、国際的な非難と国内の治安懸念が一段と高まっている。
襲撃は2日夕方、クワラ州郊外の2つの集落で発生した。地元選出の国会議員によると、イスラム過激派組織「ラクラワ」が住民を標的にしたという。ラクラワはイスラム国(ISIS)系の武装組織とされる。
被害の全容は不明である。国際赤十字社のクワラ州事務局は声明で、襲撃地域が州都から車で約8時間という遠隔地にあるため、現場への到着が遅れていると述べ、「多数の死者が出ているが正確な数は把握できていない」と明らかにした。
クワラ州知事も声明を発表。この襲撃を「テロリストによる卑劣な報復行為」と非難した。同州では軍が武装勢力に対する作戦を強化しており、知事はこれが反発を招いた可能性を示唆した。州警察は死者数や犯行グループについてコメントしていない。
同日には北西部カツィナ州でも別の襲撃が発生し、少なくとも13人が射殺されたと地元警察が発表した。こちらの犯行についても詳細な背景や容疑者は明らかになっていない。
ナイジェリアは長年にわたり深刻な治安問題に直面している。北東部ではイスラム過激派組織「ボコ・ハラム」やその分派が軍や民間人を標的にした攻撃を続け、広範な襲撃や誘拐事件が頻発している。また、北西部や中北部でも武装集団による身代金目的の誘拐や暴力事件が増加し、治安情勢は悪化の一途をたどっている。
こうした国内の治安悪化を受け、米軍はナイジェリアに対する関与を強化している。米アフリカ軍司令部は軍事顧問を派遣し、昨年末にはISIS系の武装勢力に対する空爆を実施した。これに対し、ナイジェリア政府は国際協力の下でテロ対策を進める意向を示しているが、住民の間では治安維持への不満と不安が根強い。
専門家は今回の虐殺が国家安全保障に対する深刻な警告であるとして、政府の対策強化と国際支援の重要性を指摘している。また、地域社会の安定化に向けた取り組みとともに、武装勢力の根絶には包括的な戦略が必要との見方を示している。
