◎北キプ州の知事を務めるコンスタント・ンディマ・コンバ中尉は5月27日、ニーラゴンゴ山は再び噴火する可能性があると述べ、ゴーマ市内の18地区のうち10地区の住民に避難を命じた。
現地メディアによると、コンゴ民主共和国東部の都市ゴーマの住民はニーラゴンゴ山の新たな噴火に備え、一斉避難を開始したという。
北キプ州の知事を務めるコンスタント・ンディマ・コンバ中尉は5月27日、ニーラゴンゴ山は再び噴火する可能性があると述べ、ゴーマ市内の18地区のうち10地区の住民に避難を命じた。
国連の人道機関によると、23日に発生した噴火の死者は32人に達し、数千人が住居を失ったという。
ゴーマはニーラゴンゴ山の南約15kmに位置する人口約200万人の都市で、地域内には多くの人道機関事務所があり、国連コンゴ民主共和国ミッション(MONUSCO)も拠点として利用している。
現地メディアによると、23日以来小規模な地震が200回以上発生したという。隣国ルワンダの首都キガリでも揺れを複数回確認したと伝えられている。
軍事当局はゴーマの西約20kmに位置する都市の自治体に住民の避難を支援するよう命じた。
コンバ中尉の避難命令を受け、数万人が一斉に避難を開始した。現地メディアによると、軍事当局の避難命令は極めてあいまいで、住民は自分の判断で安全と思われる場所に避難しなければならないという。
住民のアルフレッド・ブランガリーレ氏はロイター通信の取材に対し、「妻と子供を連れて街を出ます」と述べた。「私の店は略奪されるでしょう。しかし、私は家族を守らなければなりません」
ルワンダの入国管理局は先日、3,000人以上がコンゴから公式に国境を越えて入国したと発表した。ルワンダ政府によると、避難民は旧難民キャンプと中等学校に開設された避難所に身を寄せているという。
ユニセフは声明で、噴火の混乱で両親と離れ離れになった児童530人を保護したと発表した。
ゴーマ火山観測所のセレスチン・カセレカ・マヒンダ氏によると、観測所の活動資金が削減された影響で国民に適切な警告を発信することができなかったという。
マヒンダ氏はAP通信の取材に対し、「コンゴ政府を支援していた世界銀行とのパートナーシップは2020年10月に終了し、私たちはインターネットすら利用できなくなった」と語った。世界銀行はコンゴ政府の汚職問題を鑑み、援助を削減していた。
地元メディアによると、ゴーマ火山観測所は米国地質調査所が主導する火山災害援助プログラムから新たな資金提供を受け、先月運用を再開したばかりだったという。
住民のアミナタ・カビラ氏はAP通信の取材に対し、「どこに避難すればいいか分からないが、大切な物を持って家を出た」と述べた。
別の住民キジト・アレクシス氏は、「溶岩は南部の住宅街に到達する可能性があると聞き、怖くなって逃げた」と述べた。「状況は深刻です。街は空っぽになりました。私はボートに乗って逃げます」
政府のスポークスマン、パトリック・ムヤヤ氏は27日、「ゴーマは地震の増加と新たな火山噴火、ガス爆発、火山灰による汚染など、多くのリスクに直面している」と述べたが、具体的な支援計画などについては言及しなかった。
ニーラゴンゴ山が最後に噴火したのは2002年で、当局の記録によると、少なくとも250人が死亡し、約12万人が住居を失い、ゴーマ空港の滑走路は溶岩に覆われ、インフラは完全にマヒしたという。