◎ニジェール軍政は22日、EUが事前の協議なしに、洪水被災地に130万ユーロの人道援助を割り当てたことを批判した。
EU当局は23日、アフリカ西部・ニジェールの大使をブリュッセルに呼び戻し、軍事政権との緊張が高まっていることについて協議すると明らかにした。
EUの執行機関である欧州委員会は声明で、「ニジェールの洪水被災者に対する人道支援をめぐり、軍当局との緊張が高まっていることを受け、首都ニアメの駐大使をブリュッセルに呼び戻し、協議を行う」と述べた。
また委員会は「EU代表部が洪水被災者に提供した人道援助の方法と管理に異議を唱えるニジェール軍当局の声明を留意する」とした。
ニジェール軍政は22日、EUが事前の協議なしに、洪水被災地に130万ユーロの人道援助を割り当てたことを批判した。
軍政は声明で「EU当局はこれらの資金を一方的にNGOに再配分し、透明性の原則を無視し、地元当局との協議を回避した」と主張。資金の管理方法などを明らかにするよう求めた。
EU当局はこれに対し、ニジェールの申し立てをEUの人道支援管理に対する挑戦とみなし、深い遺憾の意を表明した。
ニジェールと西側の関係は昨年7月のクーデターでバズム(Mohamed Bazoum)大統領が追放されて以来、悪化の一途をたどっている。
軍政は旧宗主国フランスに部隊撤退を命じ、今年5月には米国との軍事協定を打ち切ると一方的に発表。米軍は9月に撤退を終えた。
軍政は西側との関係を断ち切り、ロシアに急接近。民間軍事会社ワグネルと契約を結んだとされるが、詳細は不明だ。
マリ軍は2020年、ブルキナ軍は2022年、そしてニジェール軍は昨年のクーデターで政権を掌握。この3カ国はサヘル諸国連合(AES)を形成している。