◎エチオピア北部を含む東アフリカの一部地域では大飢饉が発生する可能性がある。
エチオピア政府は5日、北部ティグライ州を実行支配するティグレ人民解放戦線(TPLF)がアフリカ連合(AU)仲介の和平交渉を受け入れたと発表した。
政府報道官はツイッターに、「アビー・アハメド(Abiy Ahmed)首相は紛争の平和的解決と前提条件なしの協議を受け入れた」と投稿している。
国営メディアは政府筋の話を引用し、「AUは紛争当事者に会談の日付と場所を伝えた」と報じているが、詳細は明らかにされていない。
AFP通信によると、TPLFの報道官は取材に応じなかったという。
AUの報道官は5日、マハマト(Moussa Faki Mahamat)委員長のコメントを発表した。「当事者と協議し、適切な時期と詳細を決めます...」
TPLFの指導者ゲブレミカエル(Debretsion Gebremichael)議長が交渉に参加するか否かは不明だが、実現すれば内戦終結を目指す国際社会の努力が実るかもしれない。
TPLFと軍の戦闘は2020年11月に本格化し、これまでに民間人数万人が死亡、数百万人が国内避難民となり、数万人が近隣諸国に逃亡したと推定されている。
軍とTPLFの戦闘は8月末に再開され、5カ月間維持された人道的停戦は破綻した。
TPLFは先月、AU仲介の和平交渉に応じる意思があると表明したが、エチオピア軍は隣国エリトリアの部隊と協調してティグライ州に攻撃を仕掛けているとみられる。
エリトリアが和平交渉に招待されているどうかは不明である。TPLFはエリトリア政府の交渉参加を認めないと明言している。
AFP通信は外交筋の話を引用し、「AUは調停者にナイジェリアのオバサンジョ(Olusegun Obasanjo)元大統領、ケニアのケニヤッタ(Uhuru Kenyatta)前大統領、南アフリカのヌクカ()元副大統領を指名した」と報じている。
一方、米国務省は5日、ハマー(Mike Hammer)特使がAUの和平交渉を支援するために10月3日にエチオピアを再訪問したと発表した。ハマー氏は先月にも現地入りし、政府関係者と協議している。