◎エチオピアとエリトリアの連合軍はここ数週間で北部の主要都市を奪還したと伝えられている。
2021年11月7日/エチオピア、首都アディスアベバのメスケル広場で行われた軍のパレード(Getty Images/AFP通信)

12月23日、エチオピア政府は北部で進行中の内戦について、ティグライ州には侵攻しないと発表した。

通信サービス部門の責任者であるレジェス・トゥルー氏は声明で、「政府はティグレ人民解放戦線(TPLF)から奪還した地域の治安を維持するよう軍に指示したが、TPLFの拠点であるティグライ州への侵攻は控えるよう命じた」と述べた。

エチオピアとエリトリアの連合軍はここ数週間で北部の主要都市を奪還したと伝えられている。一方、TPLFはティグライ州に隣接するアムハラ州とアファール州を明け渡し、後退を余儀なくされた。

レジェス氏は声明の中で、「テロリストに占領された地域を奪還する作戦は終了した」と述べた。「敵はひどく破壊され、後退しました。作戦の第一段階は終了したと言えるでしょう。政府は今回のような事件を二度と発生させないために、必要な措置を講じる予定です」

一部の専門家は政府の決定を歓迎し、紛争の解決に向けた交渉が始まる可能性があると期待を表明した。

TPLFの指導者であるデブレツィオン・ゲブレミチャエル将軍は今週、国連のアントニオ・グテーレス事務総長に宛てた書簡の中で戦闘員に撤退を命じたと明らかにした。

国軍とTPLFの戦闘は2020年11月に本格化し、これまでに民間人数万人が死亡、数百万人が国内避難民になり、数万人が隣国スーダンに逃亡した。

国軍は昨年11月末にティグライ地域の大半をTPLFから奪取したが、TPLFは北部地域などで活動する反政府勢力と同盟を結んでティグライ国防軍(TDF)を結成し、6月の奇襲攻撃でティグライ地域の支配権を取り戻した。

その後、TDFはティグライ州に隣接するアムハラ州とアファール州の大半を支配下に置き、さらに首都アディスアベバ近郊の都市に侵攻したと伝えられていた。

一方、国連人道問題調整事務所が22日に公表した報告書によると、エチオピアの来年の人道支援ニーズは内戦、干ばつ、洪水、伝染病の蔓延、イナゴの大量発生の影響で劇的に高まる可能性が高いという。

報告の寄稿者は、「エチオピアのいくつかの地域の人道支援ニーズは高く、現時点で少なくとも2,000万人が何らかの支援を必要としている」と述べた。「ティグライ州、アムハラ州、アファール州の状況は特に深刻です...」

また寄稿者は、「南部と東部で深刻化する干ばつを考慮し、食糧支援を加速させる必要がある」と強調した。

報告書によると、支援を必要とする人が最も増えた地域はアムハラ州で、少なくとも370万人が食糧や医療支援を求めているという。内戦の影響で家を追われ国内避難民になった市民は全国でおよそ400万人と推定されている。

寄稿者は「支援を求めている2,000万人を助けるためには14億ドル(約1,600億円)相当の援助が必要だが、まだ5億ドルほどしか調達できていない」と述べ、国際社会に協力を求めた。

2021年5月9日/エチオピア、ティグライ州メケレの避難所(Getty Images/AFP通信/PAメディア)
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