◎交渉期間は10月25~30日とみられていたが、ひとまず来週まで延長されることが決まったようだ。
エチオピア内戦の和平交渉を主導するアフリカ連合(AU)の関係者は31日、交渉期間が延長されたと明らかにした。
交渉期間は10月25~30日とみられていたが、ひとまず来週まで延長されることが決まったようだ。
AUの交渉仲介役はナイジェリアのオバサンジョ(Olusegun Obasanjo)元大統領、ケニアのケニヤッタ(Uhuru Kenyatta)前大統領、南アフリカのヌクカ(Phumzile Mlambo-Ngcuka)元副大統領が務めている。
交渉の内容は一切公表されていない。
AP通信は交渉に詳しい当局者の話を引用し、「エチオピア政府とティグライ州の代表は交渉継続に合意した」と報じている。
エチオピア軍と北部ティグライ州を実行支配する反政府勢力「ティグレ人民解放戦線(TPLF)」の紛争は2020年11月に本格化し、これまでに民間人数万人が死亡、数百万人が国内避難民となり、数万人が近隣諸国に逃亡したと推定されている。
軍とTPLFの戦闘は今年8月末に再開され、5カ月間維持された人道的停戦は破綻した。
エチオピア軍は隣国エリトリアの部隊と協調してティグライ州に攻撃を仕掛けたと伝えられているが、詳細は不明である。
国連はティグライ州の市民推定600万人が紛争の影響で食料を確保できず、壊滅的な人道危機が発生すると警鐘を鳴らしている。
エチオピアのアビー・アハメド(Abiy Ahmed)首相は31日、中国国際放送局の取材に応じ、「我々は平和を確立するために努力している」と述べ、「エチオピア人は自分たちの力で問題を解決できる」と主張した。「つまり、(国際社会の)介入があれば、和平は難しいということです...」
エチオピア軍とともに戦っている隣国エリトリアは交渉に参加しておらず、合意事項を尊重するかどうかは不明である。AFP通信はティグライ州の情報筋の話を引用し、「エリトリア軍は和平交渉開始後も民間人を殺害している」と報じた。
一方、オランダの国際NGO「PAX」とスウェーデンのシンクタンク「ストックホルム国際平和研究所(SIPRI)」が10月21日に撮影した衛星画像によると、ティグライ州南部の空港にトルコ製のドローン2機が配備されていたという。
この空港はエチオピア政府の管理下に置かれている。
エチオピア人権委員会(EHRC)は先週、「軍はこの戦いで恣意的かつ無差別にドローン空爆を行っている」と非難した。
EHRCはドローンの入手経路を不明としたうえで、今年初めに行われたティグライ州の避難民キャンプに対する空爆にはトルコ製のドローンが使われたと指摘した。