◎北部ティグライ州は反政府勢力「ティグレ人民解放戦線(TPLF)」の支配下に置かれている。
2021年7月2日/エチオピア、北部ティグライ州近郊(AP通信)

エチオピア政府は12日、国連に北部ティグライ州のインフラの一部を再建するよう依頼した。

ティグライ州は反政府勢力「ティグレ人民解放戦線(TPLF)」の支配下に置かれている。

国連組織である世界銀行は今年4月、エチオピアに3億ドルの助成金を支給し、ティグライの紛争で影響を受けた地域にインフラ復興プロジェクトの資金を提供している。

このプロジェクトは紛争で破壊されたインフラを再建し、必要不可欠なサービス(水道、電気、医療など)を復旧させ、暴力の被害者に支援を提供しやすくすることを目的としている。

エチオピア財務省は12日の声明で、「国連はティグライ州におけるプロジェクトの第1弾を本格化させるよう求めている」と述べた。

エチオピア政府は国連プロジェクト・サービス機関(UNOPS)と協定を結んでいる。

同財務省は、「UNOPSはティグライ州の状況が改善され、エチオピア政府が独自の復興プロジェクトを実施できるようになるまで、この地域のプロジェクトを主導する」と述べている。

AFP通信によると、プロジェクトの第2弾は異なる組織が行う予定で、国連によると、協議を進めている最中だという。

国軍とTPLFの戦闘は2020年11月に本格化し、民間人数万人が死亡、数百万人が国内避難民になり、数万人が隣国スーダンに逃亡したとされる。

国軍は2020年11月末にティグライ州と周辺地域の大半をTPLFから奪取したが、TPLFは北部地域などで活動する反政府勢力と同盟を結んでティグライ国防軍(TDF)を結成、昨年6月の奇襲攻撃でティグライ州の支配権を取り戻した。

内戦が本格化した昨年末、TPLFの主力部隊はティグライ州に撤退し、その後政府も大規模な侵攻を控えた。そして3月末、TPLFは政府が提案した「無期限の人道的停戦」に合意し、内戦はひとまず終結した。

世銀は4月、紛争勃発以来初めて、エチオピアに資金を提供した。他の国際機関は融資を停止している。

人道的停戦合意後、ティグライ州の戦闘は終息した。その後、政府はTPLFの支配地域に支援物資を届けることをようやく許可したのである。

しかし、この地域の基本サービスはほとんど機能しておらず、他の国際機関や団体は活動に必要な基本サービスを速やかに復旧するよう政府に求めている。

世銀は先月末、紛争と未曾有の干ばつで食料危機に直面している北部地域の住民を救うために、7億1500ドルの融資を提供した。

その数日後、アハメド(Abiy Ahmed)首相はTPLFとの交渉に前向きであると表明した。

2022年2月21日/エチオピア、北部アファール州の世界食糧計画倉庫(AP通信)
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