◎双方はあらゆる形態の軍事行動を停止する協定に署名し、合意書を取り交わした。
エチオピア政府とティグライ州を実行支配するティグレ人民解放戦線(TPLF)は12日、同州への人道支援輸送やこの地域の武装解除について協議する委員会を設立することなどに合意した。
双方の交渉団はケニアの首都ナイロビで7日から第2回和平交渉を行っていた。
双方はあらゆる形態の軍事行動を停止する協定に署名し、合意書を取り交わした。
AP通信によると、双方は民間人を保護し、推定600万人が生活するティグライ州への人道支援輸送を促進することで合意したという。
また武装解除については、「同州で活動する外国軍を含むすべての軍を撤退させる」としている。
政府の交渉官はAPの取材に対し、「我々は和平ロードマップに合意し、次の会合は12月中旬にティグライ州で開かれ、来年1月に首都アディスアベバで最終会合を行う予定」と明らかにした。
一方、政府報道官は12日遅くの声明で、「当局はティグライ州に人道支援を届ける取り組みを進めている」と発表した。
また報道官はナイロビ交渉に言及し、「今回の協定にはティグライ州のメケレ(州都)への立ち入りに関する合意も含まれる」とした。
双方は第1回交渉で停戦に合意している。(11月2日締結)
第2回交渉を仲介したナイジェリアのオバサンジョ(Olusegun Obasanjo)元大統領は12日、「人道支援輸送を速やかに強化する必要がある」と述べた。
同じく交渉を仲介したケニアのケニヤッタ(Uhuru Kenyatta)前大統領は双方の代表団に謝意を示した。
エチオピア軍とTPLFの紛争は2020年11月に本格化し、民間人数万~数十万人が死亡、数百万人が国内避難民となり、数万人が近隣諸国に逃亡したと推定されている。
この紛争に関与したとされるエリトリア政府は声明を一切出しておらず、協定を守るか否かも不明。今回の文書にエリトリアは明記されていない。
APは交渉に関与した外交官の話を引用し、「エリトリアとの協議は難航している」と報じた。
国連の人道支援機関は今週、停戦が実現したにもかかわらず、ティグライ州への立ち入り許可を待っていると報告した。
同州は外界から完全に切り離され、外国人ジャーナリストやメディアは立ち入りを禁じられている。