◎国軍とティグレ人民解放戦線(TPLF)の戦闘は2020年11月に本格化し、内戦に発展した。
エチオピア政府は24日、内戦で荒廃した北部ティグライ地域での「無期限の人道的停戦」を宣言し、同地域への人道支援物資の搬送を妨げないようにするための措置を取ると発表した。
政府は声明の中で、「政府は援助団体に寛大な支援を倍増するよう要請するとともに、助けを求めている人々への人道的援助の提供を迅速に行うため、関連団体と協力して取り組むことを改めて表明する」と述べている。
声明によると、ティグライ州を支配するティグレ人民解放戦線(TPLF)は、地域で進行中の飢餓を改善するために停戦に応じなければならないという。
政府はTPLFの指導者と戦闘員に対し、侵略行為をやめ、近隣地域の占領地を明け渡すよう促した。
AP通信などによると、TPLFの指導者であるデブレツィオン・ゲブレミチャエル将軍のコメントを得ることはできなかったという。
今回の人道的停戦が真の包括的な停戦に向けた一歩となるかは不明である。
西側諸国はエチオピア政府にティグライ州への人道支援物資の搬送制限を緩和するよう圧力をかけていた。
世界保健機関(WHO)のテドロス・アダノム事務局長はティグライ州出身のエチオピア人で、北部への人道的アクセスを認めるようエチオピア当局に繰り返し要請している。
国軍とTPLFの戦闘は2020年11月に本格化し、これまでに民間人数万人が死亡、数百万人が国内避難民になり、数万人が隣国スーダンに逃亡した。
国軍は2020年11月末にティグライ地域の大半をTPLFから奪取したが、TPLFは北部地域などで活動する反政府勢力と同盟を結んでティグライ国防軍(TDF)を結成し、昨年6月の奇襲攻撃でティグライ地域の支配権を取り戻した。
内戦が本格化した昨年末、TPLFは本拠地のティグライ州に撤退し、その後政府も大規模な侵攻を控え、先月には国家非常事態宣言を解除した。
ティグライ州やその隣のアムハラ州の戦闘は沈静化しているが、AFP通信によると、北東部アファール州では懸念が残っているという。
国連はエチオピア政府の援助妨害を「人道的封鎖」と呼び、厳しく非難していた。
昨年6月、政府はティグライ地域への食糧援助、医薬品、現金、燃料の供給をほぼ全面的に打ち切った。
世界食糧計画(WFP)は今年初め、ティグライ州の人口600万人の約4分の3が草、虫、土などを食べて生活し、3分の1以上が飢餓の危機に瀕していると警告していた。