◎アムハラ州では数カ月前から国軍と民兵の戦闘が続いているとされるが、詳細はほとんど明らかになっていない。
エチオピア北部アムハラ州で国軍と民兵の戦闘が続き、10月に予定されていたアフリカ大陸の指導者による年次会合が延期された。現地メディアが関係者の話しとして22日に報じた。
それによると、アムハラ州で予定されていた安全保障に関するハイレベルフォーラムは2024年4月に延期されたという。
このフォーラムは毎年アムハラ州などの北部地域で開催されている。
アムハラ州で活動する反体制派は隣接するティグライ州で2020年11月~2022年11月まで続いた内戦において、ティグレ人民解放戦線(TPLF)の活動を全面的に支援した。
一部の民兵は政府側に回ったと伝えられているが、内戦でどのような役割を果たしたかは不明である。
この内戦では最大60万人が死亡、数百万人が国内避難民になったと推定されている。
アムハラ州では数カ月前から国軍と民兵の戦闘が続いているとされるが、詳細はほとんど明らかになっていない。
海外のメディアはティグライ州やアムハラ州への立ち入りを禁じられているため、現地の状況を確認することは困難である。
このハイレベルフォーラムは「アフリカ大陸で最も差し迫った安全保障上の課題に対し、アフリカ主導で解決策を提供する」としている。
アムハラ州はエチオピアで2番目に人口の多い地域であり、複数の町でドローンによる空爆、砲撃、銃撃戦が報告されている。
AP通信は先月、同州の住民の話しとして、「軍用機が飛行する音が毎日聞こえ、通りでは銃撃戦が起きている」と伝えていた。
国連が支援するエチオピアに関する国際人権専門家委員会は先月、アムハラ州の現状について、「暴力的な対立は内戦レベルに発展し、アムハラ州では市民に対する暴力や虐待、ティグライ州でも残虐行為が報告されている」と警告した。
中央政府は先月、アムハラ州全域を対象とする非常事態を宣言。暴力や弾圧の実態を隠蔽するために、同州に続く道路に検問所を設置し、立ち入り規制を強化した。