◎エジプトとスーダンは重要な水源であるナイル川の水量がダムの影響で減少する可能性があるとして、エチオピア政府に放水量を適切に管理する国際協定を結ぶよう求めている。
ナイル川の支流で建設が進められている「大エチオピア・ルネサンスダム(Grand Ethiopian Renaissance Dam)」をめぐる協議がまたしても平行線をたどった。
エチオピア・エジプト・スーダンによる3日間の協議は19日に終了。合意には至らなかったようだ。
エチオプアとエジプト当局は声明で互いを非難した。
エジプト当局は「エチオピアが妥協案の受け入れを執拗に拒否したため、協議は不調に終わった」と主張。エチオピア外務省は「エジプトが協議に障害物を設置し、いかなる合意も妨げた」と応戦した。
スーダンは声明を出していない。
エジプトとスーダンは重要な水源であるナイル川の水量がダムの影響で減少する可能性があるとして、エチオピア政府に放水量を適切に管理する国際協定を結ぶよう求めている。
ダム工事は現在も続いている。しかし、エチオピア政府は完成した設備の運用を開始しており、水をめぐる緊張が高まっている。
同ダムの建設と運用をめぐっては、国連が仲介する3カ国協議が何度も行われてきた。
エジプトのシシ(Abdel Fattah el-Sissi)大統領とエチオピアのアビー(Abiy Ahmed)首相は今年7月、この問題を解決することで一致した。9月にも3カ国協議が行なわれたものの、険悪なまま終了した。
ダムは昨年発電を開始。エチオピアは9月に貯水池を満たす最終段階に入ったと報告している。