◎国軍は北部ティグライ地域を支配するティグレ人民解放戦線(TPLF)に対する協調攻撃を再開した。
エチオピアの現地メディアによると、国軍は北部ティグライ地域を支配するティグレ人民解放戦線(TPLF)に対する協調攻撃を再開したという。
TPLFの戦闘部隊、ティグライ国防軍(TDF)のスポークスマンであるゲダチュー・レダ氏はAFP通信の取材に対し、「国軍はティグライやアムハラ州を侵略するために戦車、ジェット機、ドローン、迫撃砲などによる協調攻撃を開始した」と述べた。
AFP通信によると、TDFはティグライ地域の支配権を保持しているという。
政府は北部地域で進行中の作戦に関する声明やコメントを発表しておらず、戦闘地域周辺への立ち入りを禁じいるため、戦況は不明。
ゲダチュー・レダ氏はAFP通信に、「本格的な戦闘は先週から始まった」と述べた。
一方、政府のビリーン・セユム報道官は記者からティグライ地域の戦闘に関する質問を受け、「治安当局はテロリストから国民を保護する責任がある」と述べたが、それ以上の詳細は明らかにしなかった。
TPLFは昨年11月に勃発した国軍との戦闘に一度敗れティグライ地域の支配権を失ったが、その後、他の反政府勢力とTDFを結成し、6月に地域の支配権を取り戻した。
紛争に巻き込まれ死亡した民間人は数千人と推定されているが、政府は戦闘地域周辺への立ち入りを禁じているため、正確な死亡者数は分かっていない。
ティグライ地域の住民推定600万人のうち約200万人が国内外避難民になったと伝えられている。国連は7月に公表した報告書の中で、子供を含む約40万人が餓死の危機に瀕していると述べた。
政府のセユム報道官はAP通信の取材に対し、「エチオピア政府はティグライやアムハラ州を含む北部地域で破壊と暴力を継続するTPLF(TDF)に対抗し続けるだろう」と述べた。
TDFはティグライ地域に隣接するアムハラ州とアファール州に侵攻し、支配権を広げていると伝えられている。
エリトリアとの歴史的な和平を達成し、2019年にノーベル平和賞を受賞したアビィ・アハメド首相は、国連や国際的な人道機関による平和への呼びかけを無視し、米国とEUの新たな制裁の警告に逆らい続けている。