エチオピアEIE、燃料不安に対処、中東情勢悪化受け
エチオピアは内陸国であり、燃料の多くを輸入に頼っている。
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エチオピアの主要企業の一つであるEIE(Ethio Infra Engineering Plc)は29日、燃料供給の不安が高まる中、社内の燃料消費削減策を徹底するよう呼びかけた。これは中東の地政学的緊張による燃料供給の乱れが同国にも影響を及ぼしているとの懸念が背景にあるとみられ、政府が燃料使用の節約を呼びかけている流れを受けたものである。
EIEは声明で、政府がエネルギー危機を回避するために関係機関や市民に燃料節約を呼びかけているとし、3000人超の従業員に対して会議を可能な限りオンラインで実施するよう求めた。これにより業務上の移動を減らし、車両使用に伴う燃料消費を抑える狙いだという。また、重要なプロジェクトに向けた移動についても複数人での相乗りを徹底し、車両の稼働を平日のみに限定すること、役員ら高位職の月次燃料割当を削減する方針も伝えられた。
エチオピアは内陸国であり、燃料の多くを輸入に頼っている。燃料供給はこれまで比較的安定してきたものの、近年の中東情勢の悪化、特に米国とイスラエルによるイランへの軍事行動を受けた海上輸送路の混乱が、原油や燃料輸送の不確実性を高めている。こうした国際的な供給リスクがエチオピア国内でもコストや供給量の変動を通じて影響を与えているとの見方が広がっている。
政府も燃料供給の不安定化に対応するため、燃料補助金を強化し、燃料の使用を節約する一連の方策を示している。政府当局者は先に、市民に対して節約の重要性を強調し、用途を限定した燃料の取り扱いや違法な燃料取引の取り締まりを進める考えを示していた。燃料価格の引き上げも実施され、軽油やガソリンのリッター価格が引き上げられたほか、工業用の燃料価格も新たに設定された。これらの措置は燃料不足が深刻化する前に供給と消費のバランスを保とうとする政府の対応策の一部である。
一方、エチオピア国内では燃料不足が経済活動全般に波及する可能性を懸念する声もある。燃料は輸送、農業、工業など広範な分野で不可欠な資源であり、供給不安が長期化すれば物価高騰や物流の停滞を招きかねないからだ。このため政府は燃料使用の合理化と同時に、再生可能エネルギーの拡大や国内エネルギー資源の強化に向けた取り組みを進めている。エチオピアでは水力発電が電力供給の大部分を占め、風力や太陽光などの再生可能エネルギー開発も進められているが、燃料依存からの脱却には時間を要するとの指摘がある。
燃料供給リスクは同国だけの問題ではない。世界的な原油市場の不安定化は多くの発展途上国にとって輸入燃料コストの増加や供給不安という形で圧力を加えている。近隣諸国でも燃料価格の上昇や供給制約に対応するための対策が検討され、地域全体でエネルギー安全保障への意識が高まっている。この中で、企業や政府が燃料節約や効率的な使用策を講じることは、短期的な対応として重要な役割を果たしている。
