SHARE:

エチオピア政府、マールブルグ病の終息を宣言、9人死亡

マールブルグウイルスはフルーツコウモリを自然宿主とし、ヒトからヒトへは感染者の体液や汚染された衣服などとの接触を通じて広がる。
マールブルグウイルス2(Centers for Disease Control and Prevention)

エチオピア政府は26日、同国で初めて確認されたマールブルグ病(MVD)の流行が終息したと宣言した。国際的に定められた追跡期間である42日間、連続して新規感染者が報告されなかったことを受け、世界保健機関(WHO)およびエチオピア保健省が協力して対応した結果、流行が封じ込められたと判断された。

この流行は2025年11月14日に南部地域で最初に確認され、14件の確定感染者が報告された。患者のうち9人が死亡、5人が回復した。またWHOはさらに5人の死亡例を「マールブルグ感染の可能性」に分類している。確定例には医療従事者3人が含まれ、そのうち2人が死亡した。

マールブルグウイルスはフルーツコウモリを自然宿主とし、ヒトからヒトへは感染者の体液や汚染された衣服などとの接触を通じて広がる。発症すると高熱、筋肉痛、下痢、嘔吐などの症状を引き起こし、重症例では出血性症状やショックに至ることもある。ワクチンや特異的な治療法はない。

エチオピア政府はWHOや公衆衛生研究所(EPHI)と連携し、流行発生直後から包括的な対応を実施した。その中心となったのは感染者の迅速な隔離、接触者の追跡調査、感染防止・管理の強化、診断能力の向上、地域社会への啓発活動である。合計で857人の接触者が特定され、21日間にわたり経過観察された。

対応の迅速さと効果は、エチオピア国内の公衆衛生体制の強化が奏功した結果でもある。強化された検査体制、疾病監視システム、緊急時対応センターの設置、訓練された保健人材の活用などにより、アウトブレイクの早期検出と制圧が可能となった。これらの取り組みは、国内外の保健当局やWHOの支援を受けて進められた。

保健省は声明で、流行終息について「国民、地域社会、医療従事者、保健当局が一丸となって対応した結果であり、今後も公衆衛生体制の強化を継続し、再発を防ぐ準備を進める必要がある」と述べた。また、WHOエチオピア代表も「迅速かつ効果的な対応は、今後の公衆衛生上の緊急事態への備えを強化するモデルとなる」と評価した。

今回の流行は確認から3か月以内に収束したが、マールブルグ病は高い致死率と感染力を持つ重篤な疾患であるため、エチオピア国内では引き続き監視体制が維持される。また、関係機関は流行の対応をチェックし、将来の危機に備えた総括と準備強化を進める方針を示している。

この記事が気に入ったら
フォローしよう
最新情報をお届けします