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エチオピアとエリトリアの緊張高まる、エリトリアが反政府勢力に弾薬提供か

エチオピア連邦警察は声明で、北部地域で押収した弾薬約5万6000発がエリトリアから送られたものであると発表した。
エリトリア陸軍の兵士(Getty Images)

エチオピア政府は15日、隣国エリトリアが反政府勢力に武器を供給したと非難し、両国間の緊張が急速に高まっている。エチオピア連邦警察は声明で、北部地域で押収した弾薬約5万6000発がエリトリアから送られたものであると発表した。また、この弾薬を運んでいたとして2人を逮捕したと明らかにした。押収された弾薬はエチオピア政府と敵対する民兵組織ファノ(FANO)のために送られた疑いがあるとしている。

当局は押収した弾薬の調査を進めており、物資がエリトリア政府から送られたとの証拠があると述べている。これにより、エチオピア政府はエリトリアが国内紛争に干渉し、自国の安定を脅かしていると強く非難した。

これに対してエリトリア側は即座にこれを否定し、エチオピア側が戦争を正当化するために偽旗作戦を企てたと主張した。エリトリア情報相は声明で、エチオピアのアビー(Abiy Ahmed)首相率いる政府与党が開戦の口実を探していると主張し、今回の弾薬押収の主張は事実に基づかないと述べた。

さらにエリトリアのアフウェルキ(Isaias Afwerki)大統領も国営メディアのインタビューで、エチオピア側がエリトリアに対して宣戦布告したと述べ、両国の関係が極めて悪化していることを示唆した。またアフウェルキ氏は「我々は戦争を望んでいないが、国を守る方法は知っている」と語り、国家防衛への強い決意を示した。

アビー氏は最近、エリトリアとの武力衝突を望んでいないと強調し、海へのアクセス権を求める問題については対話を通じて解決したいとの立場を繰り返している。エチオピアは内陸国であり、紅海へのアクセスを得る権利があると公に述べているが、この発言がエリトリア側には軍事的脅威を示唆するものとして受け取られているとの指摘もある。

両国は長い敵対の歴史を持つ。エリトリアは1993年にエチオピアから独立し、その後1998~2000年にかけて国境戦争を戦った。2018年には和平合意に署名し、アビー氏はノーベル平和賞を受賞した。しかしこの和解は持続せず、2020~22年のエチオピア北部ティグライで内戦が勃発、エリトリア軍はエチオピア軍を支援したものの、戦後の和平協定からエリトリアが除外されたことなどから関係が冷え込んでいた。

今回の弾薬押収と非難の応酬は、両国の対立が再び深刻化していることを象徴している。専門家は、この地域の不安定化が内戦再燃や周辺諸国への波及のリスクを高める可能性を指摘している。

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