◎世界で最も閉鎖的な国のひとつであるエリトリアはティグライ州の市民を虐殺したと西側から告発されている。
エチオピア北部ティグライ州を実行支配するティグレ人民解放戦線（TPLF）は20日、エリトリア軍が本格的な攻勢を開始したと発表した。
米国はエリトリア政府がティグライ紛争に関与したと報告しているが、エリトリアは沈黙を続けている。
世界で最も閉鎖的な国のひとつであるエリトリアはティグライ州の市民を虐殺したと西側から告発されている。
報道によると、エチオピア政府はTPLFの報告に関するコメントを出していない。
軍とTPLFの戦闘は2020年11月に本格化し、これまでに民間人数万人が死亡、数百万人が国内避難民となり、数万人が隣国スーダンなどに逃亡したとされる。
軍とTPLFの戦闘は先月末再開され、5カ月間維持された人道的停戦は破綻した。
TPLFは今月11日、アフリカ連合（AU）仲介の和平交渉に応じる意思があると表明し、国連と米国を安堵させた。西側はこの機会を確実にものにするよう呼びかけている。
エリトリア軍の介入が事実であれば、TPLFは難しい対応を迫られることになる。エチオピアのアハメド（Abiy Ahmed）首相はエリトリア政府と協力してTPLF壊滅を目指していると噂されている。
TPLFのレダ（Getachew Reda）報道官は20日、「ティグライ州とエリトリア国境のいくつかの地域で激しい戦闘が発生した」とツイートした。
レダ氏によると、エリトリア軍は予備役も動員しているという。また、エチオピア軍も攻撃に加担していると説明した。
エリトリア政府は18歳～40歳までの全国民に兵役を義務付けている。エリトリアの人権活動家によると、徴兵された市民はほとんど訓練を受けることなくエチオピアに送り込まれているという。
エチオピア入りしている米国のハマー（Mike Hammer）特使は20日、「エチオピア領内に入ったエリトリア軍を追跡している」と報告した。
ハマー氏はエチオピアとエリトリア両政府を非難した。「エリトリア軍の駐留を許せば、問題はさらに複雑化し、進行中の悲劇を悪化させるだけです！」
エチオピア北部を含む東アフリカでは干ばつによる壊滅的な食料危機が進行中であり、国連はこの地域の住民数千万人が人道支援に頼り、「目をそむけたくなるような大飢饉」が発生する可能性があると警告している。
エチオピア軍はティグライ州を完全封鎖しているため、州内の状況を確認することは困難である。
ロイター通信は援助関係者の話を引用し、「国境付近で戦闘が発生した」と報じたが、エリトリア軍が侵攻したかどうかは確認できないという。
BBCニュースは先週、エリトリア軍が予備役を動員していると報じた。
その他のメディアも首都アスマラなどの都市で動員を告知する通知書が該当者に届いたと報じている。
