◎エジプトで列車の脱線・衝突事故は珍しくなく、専門家は設備のメンテ不足や安全基準に問題があると指摘している。
エジプト当局は7日、首都カイロ郊外を走行していた旅客列車が脱線し、少なくとも2人が死亡、16人が負傷したと発表した。
当局によると、事故を起こしたのはナイルデルタに向かっていた列車。事故はカイロ北方の駅近くで発生したという。
警察が現場周辺を封鎖し、事故原因を調べている。
保健当局によると、救急車20台が現場に急行し、負傷者を近くの医療機関に搬送したという。乗客数は明らかにされていない。
フェイスブックで共有された映像には、脱線した車両とその周りに集まる乗客と救助隊の姿が映っていた。
国営テレビは脱線した車両の窓から乗客を救出する消防士の姿を報じた。列車は横転せず、30度ほど傾いた状態で止まったようだ。
エジプトで列車の脱線・衝突事故は珍しくなく、専門家は設備のメンテ不足や安全基準に問題があると指摘している。
シシ(Abdel Fattah el-Sissi)大統領は鉄道システムの近代化を目指しているが、最低限のオーバーホールだけで2500億エジプト・ポンド(約1兆1200億円)もの費用がかかると見積もられている。
南部ソハグ県タフタで2021年に発生した列車同士の衝突事故では32人が死亡、100人以上が重軽傷を負った。同年末にはカイロ郊外で列車が脱線、11人が死亡している。
2002年にはカイロから南部の都市に向かう夜行列車で火災が発生し、300人以上が死亡。エジプト史上最悪の鉄道事故となった。