◎スエズ運河は1869年に開通し、世界の石油、天然ガス、貨物輸送に欠かせない航路のひとつである。
エジプトのスエズ運河で石油製品とLNG(液化天然ガス)を積んだタンカー2隻が衝突し、同運河が一時通行止めとなった。スエズ運河庁が23日、明らかにした。
それによると、LNGを積んだシンガポール船籍のタンカーは22日夜、操舵システムなどの不具合により座礁し、その後、ケイマン諸島船籍のタンカーと衝突したという。
負傷者は確認されていない。
当局はタグボートを配備し、2隻のタンカーを牽引。タンカーの安全運航に必要な川幅を確保した。
この2隻は地中海から紅海に抜ける予定だった。
スエズ運河庁の報道官は23日の声明で、「この事故による渋滞は数時間以内に解消される」と述べた。
また同庁は今回の事故について、流れが強いエリアで発生したと明らかにした。この事故により、22日に運河を通過する予定だった21隻の運行に遅れが生じたという。
スエズ運河は1869年に開通し、世界の石油、天然ガス、貨物輸送に欠かせない航路のひとつである。世界貿易の約10%がこの運河を経由し、エジプト政府にとって重要な外貨獲得源となっている。
スエズ運河庁によると、昨年この運河を通過した船舶は2万3851隻。2021年の2万649隻から3000隻以上増加し、22年の収益は過去最高を更新する80億ドルに達した。