◎ガザ地区の住民約200万人は水、食料、電気、燃料を遮断され、危機的状況にある。
エジプトのシシ(Abdel Fattah el-Sissi)大統領は18日、パレスチナ・ガザ地区南部の避難民を受け入れるつもりはないと表明した。
シシ大統領はショルツ(Olaf Scholz)独首相との首脳会談後、声明を発表。「イスラエル軍がガザ南部とエジプトを結ぶラファ検問所を空爆しているため、援助を届けることができない」と非難した。
またシシ大統領はパレスチナ人の流入を許可すれば、エルサレムにパレスチナ国家を建設することは不可能になると主張した。
イスラエル軍とガザ地区を実効支配するイスラム組織ハマスの衝突は12日目に突入。双方の死者は5000人近くに達し、今も増え続けている。
ガザ地区の住民約200万人は水、食料、電気、燃料を遮断され、危機的状況にある。その約半数がガザ南部のラファ検問所近くに避難し、支援を待っている。
国際社会はラファ検問所を開放し、ガザに支援物資を届けるよう求めている。
シシ大統領はラファ検問所の封鎖を否定し、「イスラエル軍の度重なる空爆により、物資を届けることが困難になっている」と説明した。
エジプト側には物資を乗せたトラック数百台が待機を余儀なくされている。
ショルツ氏は会談後の記者会見で、「ドイツはガザへの人道回廊を確保すべく、エジプト政府と連携して対応に当たっている」と述べた。
またショルツ氏は今回の紛争が中東全域に拡大するような事態は絶対に避けたいと強調。イランとレバノンのヒズボラに介入しないよう警告した。
シシ大統領も同様の見解を示し、国際社会に即時停戦に向け介入するよう強く要請した。