◎アフリカのエネルギー生産国に注目が集まっている。
エジプトのシシ(Abdel Fattah al-Sisi)大統領は31日、ポーランドのドゥダ(Andrzej Duda)大統領を首都カイロに招き、液化天然ガス(LNG)の取引や食料安全保障などについて協議した。
ドゥダ氏は3日間エジプトに滞在する予定。
エジプト大統領府によると、両首脳は今年11月にエジプトのシャルムエルシェイクで開催される予定のCOP27(第27回気候変動枠組条約締約国会議)に向けた経済・科学協力についても協議したという。
シシ大統領は声明の中で、「COPの主催経験のあるポーランドが気候変動に関する情報と経験を提供してくれたことに感謝する」と述べている。
両首脳は共同記者会見で、「両国の社会的発展と支援を強化することで合意した」と述べた。
またシシ大統領はポーランドにCOP27にハイレベルで参加するよう招待状を送ったとしている。
一方、ドゥダ氏はポーランドの農作物をエジプトに輸出する可能性があると示唆した。エジプトは小麦の約60%をウクライナとロシアから輸入しており、取引先の多角化を目指している。
ポーランド大統領府は声明で、「シシ大統領とLNG取引の可能性について協議した」と述べている。
ポーランドの港にはLNG基地があり、一部施設は拡張工事を進めている。また地元メディアによると、政府はLNG基地の増設を検討しているという。
ポーランドはロシアのウクライナ侵攻を最も厳しく非難している西側諸国のひとつで、EUのロシア産エネルギーの禁輸制裁を強く支持している。またポーランド東部はウクライナへの軍事・人道支援の拠点になっている。
ロシア国営ガスプロム社は先月、ポーランドへの天然ガス供給を停止した。
EUはアフリカのエネルギー生産国に注目しており、複数の国がナイジェリアやアルジェリアなどと協定を結び、LNGを確保した。
ポーランドは両国の関係強化を記念して、カイロ・ワルシャワ間の直行便を再開するとしている。