◎エジプトで列車の脱線・衝突事故は珍しくなく、多くの専門家が設備のメンテナンス不足や安全基準に問題があると指摘している。
エジプトのナイルデルタで14日、2台の旅客列車が衝突し、少なくとも3人が死亡、40人が負傷した。
警察によると、現場は首都カイロの北方約90キロに位置するザガジグ近郊。列車同士が衝突し、数両が脱線した。
国営テレビが報じた映像には衝突の衝撃で大きく変形した車両と負傷者を運び出す人々の姿が映っていた。
事故原因は明らかになっておらず、警察が関係者から話を聞いている。
エジプトで列車の脱線・衝突事故は珍しくなく、多くの専門家が設備のメンテナンス不足や安全基準に問題があると指摘している。
シシ(Abdel Fattah el-Sissi)大統領は鉄道システムの近代化を目指しているものの、最低限のオーバーホールだけで2500億エジプト・ポンド(約7280億円)もの費用がかかると見込まれている。
南部ソハグ県で2021年に発生した列車同士の衝突事故では32人が死亡、100人以上が負傷した。同年末にはカイロ郊外で列車が脱線、11人が死亡している。
2002年にはカイロから南部の都市に向かっていた夜行列車で火災が発生し、300人以上が死亡。エジプト史上最悪の鉄道事故となった。