◎1月の消費者物価指数(CPI)は前年同月から26.5%上昇し、昨年12月の21.9%を大きく上回った。
エジプト政府は9日、先月の消費者物価指数(CPI)が前年同月比で26.5%増となり、過去最高を更新したと発表した。
統計機関が公表したデータによると、1月のCPIは前年同月から26.5%上昇し、昨年12月の21.9%を大きく上回った。
昨年の1月のCPIは8%だったが、翌月にロシアがウクライナに侵攻すると二桁を記録。以降、二桁を維持している。
データによると、先月の穀物価格は平均6.6%増。肉類は20%増となった。
エジプト経済はコロナの大流行、ウクライナ侵攻、通貨の暴落で大打撃を受けている。エジプトは世界最大の小麦輸入国であり、そのほとんどをロシアとウクライナから調達してきた。
インフレの影響を最も強く受けているのは人口の9割を以上を占める低中所得者層であり、その多くが政府の補助金に頼っている。公式統計によると、人口の約30%が貧困状態にあるという。
政府と国際通貨基金(IMF)は昨年末、30億ドルの融資で合意した。IMFは融資を提供するにあたり、政府に歳出削減などの経済改革を要求している。IMFの対エジプト融資はこれで140億ドルとなった。
エジプト・ポンドは中央銀行の政策金利引き上げと通貨切り下げにより、売りが大きく先行している。9日時点の取引価格は「1ドル=30.51エジプト・ポンド」まで下落した。
政府は先週、銀行やエネルギー企業など、数十の国営企業の株式を売却する計画を発表した。アナリストは国営企業を優先するシシ(Abdel Fattah el-Sissi)大統領の政策が民間の成長を妨げてきたと指摘している。
シシ政権は外貨不足にも対処する必要がある。多くの銀行が外国からの現金引き出しに制限を設け、政府も多額の予算を必要とする建設プロジェクトを軒並み延期している。