◎同国は経済危機と通貨安の真っ只中にある。
2022年11月9日/エジプト、シャルムエルシェイク(Thomas Hartwell/AP通信)

エジプト政府は9日、先月の消費者物価指数(CPI)が前年同月比で32.9%増となり、再び過去最高を更新したと発表した。

統計局によると、食品の値上がりが最も激しく、61.5%も上昇したという。

同国は経済危機と通貨安の真っ只中にある。

1月のCPIは26.5%増で、穀物、肉、鶏肉、魚、果物などの上昇幅が特に大きかった。

統計局は声明で、「食品の値上がりが特に顕著である」と述べている。

エジプト経済はコロナウイルスの大流行、ロシアによるウクライナ侵攻、通貨暴落で大打撃を受けている。エジプトは世界最大の小麦輸入国であり、そのほとんどをロシアとウクライナから調達してきた。

インフレの影響を最も強く受けているのは人口の9割以上を占める低中所得者層であり、その多くが政府の補助金に頼っている。公式統計によると、人口の約30%が貧困状態にあるという。

シシ(Abdel Fattah el-Sissi)大統領は2016年、国際通貨基金(IMF)の融資を確保したうえで、経済の「ゆがみ」を改善する歳出削減プログラムを開始した。

政府は昨年末、IMFから30億ドルの融資を受けることで合意した。シシ大統領は融資の見返りとして、為替レートの自由化や燃料補助金の削減など、IMFが求める財政健全化策を受け入れた。

エジプトはこの合意で最大140億ドルの融資を受けることができる。

エジプト・ポンドは現在、「1ドル=30エジプト・ポンド」前後で取引されており、この1年で倍以上値下がりした。

政府は今月初め、財政健全化策の一環として、一部のガソリン価格を値上げした。この措置は他の商品やサービス価格をさらに押し上げると予想されている。

政府は日用品を安く販売する市場を設置し、公務員の給与を引き上げるなどして市民の負担を軽減している。

シシ大統領は先週、公務員の月給を1000エジプト・ポンド(約4400円)引き上げると発表した。

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