◎値上がり幅が特に大きかったのは穀物、鶏肉、魚介類、果物。
エジプトの消費者物価指数(CPI)が過去最高を更新した。統計局が10日、明らかにした。
それによると、7月のCPIは前年同月比で38.2%増となり、6月の36.8%を更新した。5月は33.7%だった。
食品と飲料の価格は68.2%上昇した。値上がり幅が特に大きかったのは穀物、鶏肉、魚介類、果物。
エジプトは世界最大の小麦輸入国であり、そのほとんどをロシアとウクライナから調達していた。
ロシアは先月、ウクライナ南部黒海の穀物輸出協定から離脱。小麦、植物油、米などの食品価格を押し上げることとなった。
エジプトをはじめとする中東・アフリカ諸国は主食である小麦の調達先を多様化しており、品不足に陥る可能性は低い。
エジプトのような通貨安に苦しむ国は現在、輸入食品の支払い(ドル建て)に苦労している。
2022年2月のウクライナ侵攻以来、エジプト・ポンドは「1ドル=30エジプト・ポンド」前後で取引されている。2年前は「1ドル=15エジプト・ポンド」ほどだった。
通貨切り下げ(自国通貨が弱くなるように為替レートの交換比率を対外的に引き下げること)は国際通貨基金(IMF)の融資30億ドルを得る条件のひとつであり、シシ政権はこれを1年以上維持している。
良い兆候としては、エジプト製品がより安く購入できるようになり、国際競争力が高まることだ。
エジプト中央銀行はこの1年、金利を引き上げることでインフレを抑え込もうとしてきた。中銀は先週、政策金利である無担保コールレート(オーバーナイト物)を18.25%から19.75%に引き上げた。