◎生鮮食品を含む食品価格は前年同月から70%以上上昇した。
エジプトの先月の消費者物価指数(CPI)が過去最高を更新した。統計局が10日、明らかにした。
それによると、8月のCPIは前年同月比で39.7%増となり、7月の38.2%を上回った。6月は36.8%だった。
エジプトではロシアによるウクライナ侵攻後、食料品、医療サービス、住宅、燃料など、あらゆる分野で物価が上昇している。
統計局によると、生鮮食品を含む食品価格は前年同月から70%以上上昇したという。穀物、肉、魚、果物は軒並み値上がりした。
エジプトは世界最大の小麦輸入国であり、そのほとんどをロシアとウクライナから調達していた。
ロシアは7月、ウクライナ南部黒海の穀物輸出協定から離脱。この結果、小麦、植物油、米などの価格は軒並み上昇した。
エジプトをはじめとする中東・アフリカ諸国は主食である小麦の調達先を多様化しており、品不足に陥る可能性は低いとみられる。
エジプトのような通貨安に苦しむ国は輸入食品の支払い(ドル建て)に苦労している。
昨年2月にウクライナ侵攻が始まって以来、エジプト・ポンドは「1ドル=30エジプト・ポンド」前後で取引されている。2年前は「1ドル=15エジプト・ポンド」ほどだった。
この結果、人口の大多数を占める低中所得者層と貧困層の生活はさらに厳しくなった。政府の統計によると、同国の人口約1億500万人の30%が貧困層に分類される。