◎犠牲者の多くが煙を吸引したことによる一酸化炭素中毒で死亡したとみられる。
エジプト政府は14日、北部ギザにあるコプト正教会の日曜礼拝中に火災が発生し、子供を含む少なくとも41人が死亡したと発表した。
保健省によると、この火災で14人が負傷し、医療機関で治療を受けているという。火災は現地時間午前9時頃に発生した。
火元は明らかにされていないが、複数のメディアがエアコンの漏電が原因と報じている。アルジャジーラは発電機から出火したと報じた。
内務省は声明で、「建物2階のエアコン付近から出火し、上階に燃え広がった」と説明した。消防によると、消火作業は完了したという。建物内には当時、約1000人がいたとされ、避難誘導に当たった警察官5人が負傷した。
保健省によると、犠牲者の多くが煙を吸引したことによる一酸化炭素中毒で死亡したとみられる。
一部メディアは消防当局の話を引用し、「室内にいた人々が出口に殺到し、群衆事故が発生した」と報じている。
ソーシャルメディアには、教会から逃げ出した人々が消防の到着を待つ映像や、負傷者が助けを求める映像・写真が共有された。
報道によると、多くの子供が犠牲になったとみられる。
シシ(Abdel Fattah al-Sisi)大統領は14日、フェイスブックに声明を投稿。犠牲者に哀悼の意を表し、「関係機関に遺族と負傷者をただちに支援するよう命じた」と述べた。
またシシ大統領は軍の技術部門に教会の復旧に向けた取り組みを主導するよう命じた。
エジプトのキリスト教徒の割合は人口の約10%。専門家によると、キリスト教徒はここ数年、イスラム過激派組織の標的になっているという。
2017年に地中海の都市アレクサンドリアとナイル川デルタの都市タンタの教会で発生した自爆テロでは40人以上が死亡した。
その数カ月後、カイロ南部の教会で過激派の戦闘員が銃を乱射し、礼拝者9人を射殺した。