◎エジプトとスーダンは重要な水源であるナイル川の水量がダムの影響で減少する可能性があるとして、エチオピア政府に放水量を適切に管理する国際協定を結ぶよう求めている。
エジプト、エチオピア、スーダンがナイル川の支流で建設が進められている「大エチオピア・ルネサンスダム(Grand Ethiopian Renaissance Dam)」の交渉を再開した。現地メディアが27日に報じた。
それによると、エジプトのシシ(Abdel Fattah al-Sisi)大統領とスーダン軍政のブルハン(Abdel Fattah al-Burhan)将軍はこのダムの運営について、4カ月以内に合意に達することで一致したという。
両国は重要な水源であるナイル川の水量がダムの影響で減少する可能性があるとして、エチオピア政府に放水量を適切に管理する国際協定を結ぶよう求めている。
エジプト政府の報道官は27日、「我々はダムの運営について、法的拘束力のある合意を望んでいる」と強調した。
同ダム工事は現在も続いている。しかし、エチオプア政府は完成した貯水池に水をため始めており、緊張が高まっていた。
同ダムの建設と運営をめぐっては、国連などが仲介する3カ国協議が何度も行われてきたものの、合意には至っていない。
この地域で干ばつが発生した場合、エチオピアは下流にどの程度水を放出するのかなど、話し合わなければならない問題が山積している。
エチオピア政府は法的拘束力のある協定に難色を示しているようだ。
スーダン政府はエチオピアに対し、洪水を回避し、ナイル川の支流にある自国の水力発電ダムを守るために、大エチオピア・ルネサンスダムの運用データの共有を望んでいる。このダムはスーダン国境から10kmほどの地点に建設されている。